予防歯科と口腔ケアのお役立ち情報を発信

予防歯科は歯医者の唾液検査から!検査によって虫歯リスクが分かる?

トップ

予防のための歯医者

予防歯科は歯医者の唾液検査から!検査によって虫歯リスクが分かる?

予防歯科は歯医者の唾液検査から!検査によって虫歯リスクが分かる?

更新日:2023.03.01

予防のための歯医者

予防歯科の一つに唾液検査があります。当然のようにお口の中に存在する唾液ですが、実は多くの情報を秘めていることをご存じでしょうか?唾液検査をするだけでより確実な予防計画が立てられます。
今回は歯科衛生士のNYUiiiが唾液検査の流れや分かる項目についてご紹介します。どなたでも受けられる検査ですので、お口の状態が気になる方は試してみましょう。

虫歯予防ができる?唾液検査でわかること

唾液検査の様子
唾液検査では、唾液の分泌量や強さ、細菌数などが分かります。

すべて予防には欠かせない情報であり、とくに唾液の強さや細菌数はお口の状態によって変化しやすいため、定期的にチェックすると良いです。

唾液の分泌量

唾液の分泌量は加齢や薬の服用により減少します。

殺菌作用や自浄作用、再石灰化作用(自然修復)など、唾液には多くの働きが存在するため、分泌量が多い状態をできるだけキープすることが大切です。

唾液の強さ=唾液緩衝能

唾液緩衝能とは、酸性に傾いた状態を中和させる働きのことを指します。

虫歯は菌の出す酸によって歯が溶かされる疾患ですが、お口のなかが酸性に傾いているときにしかそのリスクは高くなりません。中和させる力が強ければそれだけ虫歯になりにくいということです。

細菌数

唾液検査では、虫歯の発生・進行に関係している「ミュータンス菌」「ソブリヌス菌」「ラクトバチラス菌」の数を調べます。

虫歯や歯周病の原因となる細菌は常在菌の一種であるため、完全にゼロにはできません。いかに菌の働きを抑制できるかが大切で、必要な方法として適切な治療や丁寧なお手入れ、定期検診が挙げられます。

歯の質や唾液の力がもともと弱かったり、乳歯の頃に虫歯の数が多かったりすると細菌数が増える傾向にあります。唾液検査はお子様でも受けられる検査ですので、今の細菌数が気になる方は試してみましょう。

歯科検診の唾液検査の手順

唾液検査は簡単に受けられるタイプと専門機関に送るタイプで手順が異なります。

簡単に受けられるタイプ

専用の機器を導入している歯医者では、検査当日に結果を知ることができます。

①お水でお口の中をすすぐ
お渡しするお水でお口の中を数秒間すすぎ、専用の容器(またはお水が入っていたコップ)に吐き出します。

②検査開始
すすいだ液を展着して機器にセットし、測定します。

③検査結果のご報告
データをみながら分かりやすくご説明し、適切な予防計画を立てます。

専門機関に送るタイプ

検査結果のご報告までに10日ほどかかりますが、簡単に受けられるタイプよりもより詳しい情報が得られます。

①問診と食生活のアンケート
簡単な問診と食生活についてのアンケートをとらせていただきます。検査のための大切な情報ですので、正直に答えましょう。

②専用のガムを噛む・唾液を採取して専門機関に送る
味のない専用のガムを5分ほど噛んでいただき、その間にでた唾液を採取します。専門機関に送った後は検査結果がでるまでに10日ほどかかります。

③検査結果のご報告
届いた検査結果を分かりやすくご説明し、適切な予防計画を立てます。

唾液検査がおすすめな人は?予防歯科にどう活用する?

歯科医院に行くか悩む男性
唾液検査がおすすめな人の特徴は以下のとおりです。

  • 虫歯や歯周病になりやすい方や
  • お手入れに自信のない方
  • 虫歯や歯周病を徹底的に防ぎたい方
  • 虫歯が気になるお子様
  • 妊娠中の方

リスクにあわせた無駄のない予防が受けられる

虫歯や歯周病のリスクは人によって異なり、同じ予防法でも効果がでやすい方とでにくい方がいます。歯の寿命を延ばすには、お口にあった予防を続けることが大切です。
質の高い予防をするためにも唾液検査は効果があるといえるでしょう。

定期的に受けるとより効果的

磨き方に癖がついたり、体調が変化したりなど、お口のなかの状態が変わるタイミングは多々存在します。定期的に唾液検査を受けることで予防効果を実感しやすくなるでしょう。

歯の定期検診は妊娠中の方にこそ行って欲しいです!
妊娠中はつわりの影響で磨き残しが増える傾向にあり、そのうえホルモンバランスの変化によって歯肉炎のリスクも上がります。お口の状態は胎児にも影響しますので、積極的に受けることをおすすめします。

参考:NPO法人日本臨床歯周病学会「妊娠性歯肉炎」

すべての歯医者がおこなっている検査ではないため、気になる方は一度問い合わせてみることをおすすめします。また、唾液検査は予防歯科の一環となり、保険は適用されません。検査費用の確認も忘れずにおこないましょう。

唾液検査を受けて効率のよい予防を心がけましょう

歯医者では、唾液検査にくわえて歯垢や歯石の付着具合や、虫歯や歯周病の有無を調べ、その方にあった適切な予防方法を導き出します。無駄がなく質の高い予防につながるため、虫歯や歯周病などトラブルが起こりやすい傾向にある方はもちろん、妊娠中の方も積極的に唾液検査を受けることがおすすめです。

自費診療であることから歯医者によって検査費用が異なります。気になる方は事前の確認を忘れないようにしましょう!

記事を検索する