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歯磨き粉なしの歯磨きは効果ある?歯磨き粉がないときの口腔ケア方法

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歯磨き粉なしの歯磨きは効果ある?歯磨き粉がないときの口腔ケア方法

歯磨き粉なしの歯磨きは効果ある?歯磨き粉がないときの口腔ケア方法

更新日:2023.03.03

歯磨き

歯磨きをするときに必要な歯磨き粉には、さまざまな種類の商品があります。虫歯や歯周病の予防に効果あり!という表示がある歯磨き粉は使ってみたくなりますよね。
一方で、「歯磨き粉は使わない方がいい」という話を聞いた方もいるのではないでしょうか?
今回は歯磨き粉のメリットやデメリットを知ることで、歯磨き粉について改めて考えてみましょう。

歯磨き粉を使うメリットとデメリット

歯磨き粉と歯ブラシ
まずは歯磨き粉のメリットとデメリットを紹介します。

虫歯予防に効果がある成分を摂取できる点がメリット

歯磨き粉のメリットといえば、ずばりフッ素です。フッ素が配合されている歯磨き粉は虫歯予防に効果的といわれています。

フッ素は「フッ化ナトリウム」や「モノフルオロリン酸ナトリウム」などの名称で成分表に記されています。フッ素は歯から溶け出したカルシウムやリン酸の再石灰化を促し、歯の表面を強化することで虫歯になりにくくする働きがあるのです。

参考:神奈川県歯科医師会「フッ素をめぐる5つの疑問」

フッ素の他にも知覚過敏や歯周病予防と表示のある歯磨き粉を使うことで、その薬剤効果を得ることができるでしょう。

他にも歯磨き粉には研磨剤が含まれていることがあります。研磨剤は「無水ケイ酸(シリカ)」や「炭酸水素ナトリウム」などと表示されており、歯磨き粉に含まれるザラザラとした成分です。歯の表面にこびりついた着色や頑固な汚れを落とすのを助ける役割があります。

一方で歯磨き粉の研磨剤で歯が削れてしまう、傷ついてしまうという意見もあります。ただし通常の歯磨き粉は歯や歯ぐきに影響のない程度の研磨力となっており、歯が傷つくリスクは比較的低いといえるでしょう。それよりも、必要以上の力をかけてゴシゴシ磨くほうが歯や歯ぐきを傷つけてしまうため、力加減には注意が必要です。下記の記事を歯を磨く時の参考にしてみてください。

磨いたという錯覚をしやすいのがデメリット

歯磨き粉の問題点として挙げられるのは、歯磨き粉に含まれる発泡剤です。お口の中が泡だらけになることで、歯磨きがしっかりできているという錯覚を起こし、まだ汚れを落とせていない状態でも歯磨きを終わらせてしまうことがあります。

発泡剤により、お口全体に歯磨き粉を行き渡らせる役割もある反面、汚れがついているところが泡に覆われて隠れてしまうため、見つけられずに汚れが残ったままになってしまうこともあります。汚れの蓄積は虫歯や歯周病につながるため、泡をこまめに吐き出したり、発泡剤の少ないものを使うのも良いでしょう。

また、歯磨き粉には爽快感を出すためにミントなどの香味剤が含まれています。このスッキリとする感覚により、歯磨きがしっかりできていなくても磨けているような錯覚を起こしてしまうことがあります。歯磨きの一番の目的である「歯の汚れを落とすこと」を忘れずに歯磨き粉を使うことができると良いでしょう。

歯磨き粉はプラスα!正しい方法で歯を磨くとこが一番大事

歯磨き粉を使うメリットとデメリットを考えると、歯磨き粉は使ったほうが良いといえるでしょう。デメリットを知ることで、歯磨きする時に気をつけるべきことが分かり、デメリットを克服する磨き方が可能です。

ただし、どんなに良い歯磨き粉を使っても、しっかりと磨けていなければ虫歯や歯周病のリスクは高まります。逆に歯磨き粉を使っていなくても正しい磨き方ができていれば虫歯や歯周病にならずに済むことも十分にありえます。

歯磨き粉の効果を得ることも大切ですが、それ以上に歯磨き粉の有無にかかわらずしっかりと歯の汚れを落とすことが重要です。

歯磨きの時間や磨くべき場所など、正しい歯磨き方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

歯磨き粉がないときにできるおすすめの口腔ケア方法

デンタルフロスでうがいしようとする女性
勤務中など外出時に歯磨き粉がなくて困った経験のある方もいるのではないでしょうか?以下で、代わりにできるいくつかの口腔ケア方法をご紹介します。

歯ブラシだけはある場合

まず歯磨き粉はないけれど歯ブラシはある場合、歯磨き粉なしで磨きましょう。歯磨き粉はあったほうがスッキリしますが、なくても特に問題はありません。

何も持っていない時

歯ブラシもない場合にはうがいを心がけましょう。一番手軽にできる口腔ケアのひとつです。
お水をお口の中隅々まで行き渡らせることで虫歯のリスクを減らすことにつながります。
もし洗口剤があれば併せて使いましょう。殺菌効果や口臭予防のあるものを使うとより効果的です。飲食が長く続くような場面では、お水をお口全体に行き渡らせると良いでしょう。

何もないけど歯を磨きたい場合

歯ブラシや歯磨き粉はないけれど、歯を磨きたいという時には指磨きがおすすめです。
指を綺麗に洗ってから指磨きをします。また、指で磨くのに抵抗がある場合は市販の歯磨きシートやガーゼなどを指に巻いて行いましょう。歯の表面に触れることで、磨いた後のツルツル感を実感できます。

歯磨きができないときにできる口腔ケアについては以下の記事で詳しく紹介しています。

歯磨き粉の役割を理解して正しい歯磨きをしましょう

虫歯予防や歯周病予防などさまざまな効果のある歯磨き粉が販売されていて、どんなものを使うべきか、または使わないべきか迷ってしまいますよね。そんな時に歯磨き粉のメリットとデメリットを理解し選択すると良いでしょう。そして何より大切なのは歯磨き粉よりも歯の汚れを落とすこと、歯の磨き方であることを忘れないでください。正しい歯磨きができているかどうか、歯科医院で磨き方を確認し健康なお口を保っていきましょう。

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