歯科メンテナンスの流れを紹介。虫歯予防には定期的に行うことが重要
更新日:2023.03.24
歯科のメンテナンスは定期的に受けることで効果を発揮します。しかし、日本では定期検診に通っている方はそこまで多くはありません。治療回数には限りがあるため、痛みがでてから歯科医院へ行くやり方では、歯を一生使い続けることは難しいでしょう。
今回は歯科衛生士のNYUiiiが歯科のメンテナンスの重要性や流れについてご紹介します。お口トラブルで悩んでいる方や、できるだけ治療費をかけたくない方は参考にしましょう。
目次
歯のメンテナンスとは?
歯科のメンテナンスとは、虫歯や歯周病の有無や進行状態を定期的に確認し、大きなトラブルがおこらないよう管理することです。最近では予防効果を高めるため、専属の歯科衛生士がつくケースも珍しくありません。毎回担当が変わるよりも管理がしやすく、コミュニケーションも楽におこなえます。歯科医院によってやり方は異なるため、気になる方は事前に確認しましょう。
お口トラブルを未然に防ぐメリット
お口トラブルの多くは進行した分だけ治療期間が長く、費用もかかります。痛みも感じやすくなることから、トラブルが起こる前に対策をしておくほうが負担が少なくておすすめです。
乳歯の頃の虫歯は永久歯にも影響するため、家族全員で予防を習慣化するといいでしょう。幼い頃から通院に慣れておくと、将来一人暮らしをしたときにも役立ちます。
歯の治療回数には限りがある
歯科治療は歯の組織を完全に戻すものではありません。回数を重ねるごとに天然歯の部分の量が減ることになるため、ヒビや破折のリスクが高まります。
痛みを感じてから治療を受けるやり方では、歯の寿命を延ばすことはできませんので、予防を意識した通院を心がけましょう。
歯のメンテナンスの流れを解説
歯科でおこなうメンテナンスの一般的な流れは以下のとおりです。
基本検査
器具を使って虫歯や歯周病の有無、進行状態の確認をします。定期的にレントゲン検査をして歯の内部や歯槽骨の状態を確認することも大切です。
基本検査で問題が見つかった場合は、すぐに処置をすることはせずに状態の説明から入ります。
治療はかならず検査当日にできるとは限りません。ある程度まとまった時間が必要なため、急を要する場合でなければ改めて予約を取っていただきます。
クリーニング(PMTC)
普段のお手入れでは落とせない歯石や着色、バイオフィルム(細菌が集まってできた薄い透明な膜)を除去します。
歯ぐきの腫れがみられる場合は刺激を感じやすいため、痛みがでる場合があります。しかし、汚れを除去せずに放置するとお口の健康は守れません。定期的に受けることで虫歯や歯周病、口臭のリスクもおさえられます。
痛みが強い場合は機械から器具に変更可能です。我慢せずに伝えましょう。
ブラッシング指導
同じ部位に磨き残しがある場合は、磨き癖がついている可能性があります。自分では気づきにくいため、定期的にブラッシング指導を受けて確認することが大切です。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方についても丁寧にお伝えしております。分からないことがあれば気軽に相談しましょう。
フッ素塗布
フッ素は、エナメル質の再石灰化(自然修復)を促し、菌に強い状態に変化させる成分です。虫歯の進行が早い乳歯の虫歯予防として有名ですが、大人の方でも受けることができます。家族全員で定期的に受けるようにしましょう。
唾液検査
唾液にはリンとカルシウムが含まれており、エナメル質の再石灰化に有効です。しかし、唾液の分泌量や働きが弱いと効果を十分に得ることができません。
唾液検査では、唾液の分泌量をはじめ再石灰化の力や細菌数を細かくチェックできるため、質の高い予防につながります。しかし、すべての歯科医院で受けられる検査ではありませんので、気になる方は事前に確認しましょう。
虫歯予防には定期的なメンテナンスが重要
歯を失う原因の約8割が虫歯と歯周病です。それらを予防するためには、質の高いセルフケアが欠かせません。
しかし、どんなに丁寧なお手入れを心がけても100%汚れを落としきることはできないため、定期的なプロフェッショナルケアも必要です。
オーダーメイド式の予防ができる歯科医院だと、高い効果を感じやすい傾向にあります。担当する歯科衛生士の技量にもよりますので、信頼できる歯科医院を選ぶようにしましょう。
虫歯もしくは歯周病と診断された方や服用中のお薬がある方、汚れがつきやすい方は1~2か月に1回、とくに目立った問題がなく健康な方は3か月に1回のメンテナンスをおすすめします。
メンテナンスで健康状態を管理し、歯の寿命を延ばしましょう
お口の健康を維持するには定期的なメンテナンスが大切です。
歯石や着色、バイオフィルムなど普段のお手入れでは落としきれない汚れを除去できますので、忘れずに受けるようにしましょう。虫歯や歯周病だけでなく、口臭予防としても効果的です。
質の高い予防をご希望の方は、専属の歯科衛生士がつく歯科医院を探してみましょう。自分にあった予防法をみつけることで、きっとモチベーションも高まるはずです。