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冷たいものが歯にしみるのを防ぐには?虫歯や知覚過敏への対処法も解説

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冷たいものが歯にしみるのを防ぐには?虫歯や知覚過敏への対処法も解説

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冷たいものが歯にしみるのを防ぐには?虫歯や知覚過敏への対処法も解説

更新日:2023.08.15

虫歯予防

冷たい物を食べたり、飲み物を飲んだりした時に歯がしみた経験は多くの人にあります。特に頻繁に起きる場合は、大きなストレスになることもあるでしょう。
歯がしみる原因には、何があるのでしょうか。今回は歯がしみる「虫歯・知覚過敏」のメカニズムや対処法について、歯科衛生士の島田千歌がご紹介いたします。

冷たいものが歯にしみるのは虫歯のサインかも

冷たいものが歯にしみる原因としては、主に「虫歯・知覚過敏」が考えられます。
歯の外側は「エナメル質」という硬い層で覆われており、通常はこのエナメル質が外部からの冷たい・熱いなどの刺激を遮断してくれます。しかし、何らかの原因でこのエナメル質の下にある「象牙質」が露出してしまうと「歯がしみる」という症状が出てきます。
他にも歯周病によって、歯茎に炎症が起こったり、歯茎がやせたりすることでしみる症状が生じることもあります。

虫歯で冷たいものがしみる原因

歯がしみる時、一番最初に虫歯を心配される方が多いのではないでしょうか。虫歯は、虫歯菌が出す酸によって、歯が溶かされ穴が空いてしまう病気です。歯の表面にある硬いエナメル質が溶かされ、さらに進行すると、虫歯はその内側にある象牙質に達します。

この象牙質と呼ばれる部分には小さい管がたくさん並んでおり、冷たい・熱い刺激はこの部分を通して直接歯の神経まで伝えられるようになっているのです。そのため、虫歯になるとしみる症状を感じます。

同時に、見た目が黒くなっている・穴が空いている・甘いものがしみるなどの症状も生じている可能性があります。虫歯の症状に気がついた時にはすでに進行しているかもしれないため、歯医者で診察を受けるのがおすすめです。

一時的にしみる症状は知覚過敏の可能性も

歯の悩みを抱える女性

虫歯のほか、知覚過敏も歯がしみる原因に挙げられます。とはいえ、自分ではどちらなのか判断するのは難しいです。歯医者で診断を受ければ虫歯か知覚過敏か判断できますが、すぐに受診できないこともあるでしょう。
ここでは、歯周病も含めて症状の特徴を紹介します。下記を参考に、自身のしみる頻度はどの程度か思い出してみましょう。

原因別しみる症状の感じ方

しみる症状の感じ方には個人差があることに注意が必要です。例えば、まだ治療が必要のないような虫歯でもしみる症状を感じる方もいる一方、進行した虫歯でも特に症状を感じない方もいます。

1.虫歯の場合
しみる症状はすぐには消えず、10秒以上持続します。また、毎回感じることが多いです。

2.知覚過敏の場合
毎回感じることもあれば、時々感じることもあります。症状は一過性で、早い段階でしみる症状はおさまります。
特に冷たいものを食べたり飲んだりした時には「キーン」とした感覚のことが多いでしょう。

3.歯周病
しみる症状は毎回ではなく、しみたとしても一過性です。歯茎の炎症がおさまると、しみる症状が落ち着くこともあります。もし歯茎がやせて露出した部分がしみる場合には、継続してしみる可能性があります。

以上3つを紹介しましたがあくまでも目安です。しみる症状のある時は、歯科医師の診断を仰ぐようにしましょう。

知覚過敏とその原因

知覚過敏は歯の根本の部分が露出したり、歯が削れたりすることでしみたように感じます。主な原因として以下が考えられます。

1.強すぎる歯磨き
歯磨きをする際にゴシゴシと強く磨いてしまうと、歯や歯茎が削れてしまいます。その結果、知覚過敏になることがあります。

2.歯ぎしり
歯ぎしりをすると、歯には大きな負担がかかります。繰り返し無理な力が加わることで、歯が欠けたり小さな亀裂が入ったりしてしまい、それが知覚過敏の原因になります。

3.歯周病
歯茎が腫れて歯と歯茎の間に隙間がある場合、そこに水分が入り込むことでしみる症状が出ることがあります。また歯周病が進行し、歯茎がやせて歯の根本の部分が露出してしまった場合にも知覚過敏が生じます。
本来、歯茎に隠れていた部分が出てしまうからです。この部分はセメント質と呼ばれ、外部からの刺激を遮断する機能がないためしみるのです。

歯がしみるのを防ぐ方法!治らない時は歯医者へ相談

歯がしみないようにするためには、どうしたら良いのでしょうか。
まずは、虫歯にならないようにすることが大切です。食後はできるだけ歯を磨き、難しい時にはうがいだけでもするようにしましょう。糖分の摂り過ぎや、ダラダラ食べないようにするなどの食習慣も整える必要があります。

知覚過敏の場合は冷たいものはぬるく調整する、ストローを使って直接しみる部分に当たらないようにするなどの工夫で歯にしみるのを防ぐことができます。他には、知覚過敏用の歯磨き粉の利用で緩和されることもあります。

歯医者での治療

虫歯の場合は治療によりしみる症状は改善されるでしょう。知覚過敏の場合はフッ素やしみ止めの薬を塗布したり、磨く力が強い場合はブラッシング指導を行うなど、原因に合わせた治療を行います。

歯の根本の部分が大きく減っている場合には、プラスチックの詰め物をすることもあります。とはいえ、知覚過敏は治療をするというより緩和する処置がメインです。そのため、知覚過敏にならないように、日頃から正しいケアを身に付けておくことが大事になります。

歯がしみる時は早めに診察を受けましょう

今回は、歯がしみる原因とその対処法についてお話しました。ただし、虫歯は治療しないと治りませんし、知覚過敏も歯科医院で処置をしてもらうことで楽になる可能性があります。
しみる症状が気になる時は、紹介した対処法を試しつつ、一度歯科医院で診てもらうようにしましょう。

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