予防歯科と口腔ケアのお役立ち情報を発信

虫歯はなぜ黒いのか?タバコやつめ物など歯が黒くなる理由は他にもある

トップ

虫歯予防

虫歯はなぜ黒いのか?タバコやつめ物など歯が黒くなる理由は他にもある

虫歯はなぜ黒いのか?タバコやつめ物など歯が黒くなる理由は他にもある

更新日:2023.02.12

虫歯予防

自分の歯がもし黒くなっていたら、虫歯を疑う人が多いかもしれません。たとえ痛みがなくても、心配になる方は多いのではないでしょうか。
しかし歯が黒くなったからといって、必ずしも虫歯ができているとは限りません。
虫歯は黒以外の色に変色することもありますし、黒くなっても虫歯ではないというケースもあります。では歯が黒くなるのはどうしてなのか、その理由についてご紹介します。

虫歯はなぜ黒い?初期の虫歯は黒くない場合もある


そもそもなぜ虫歯は黒いのでしょうか。
お口の中では、虫歯菌から出される酸によってエナメル質のリンやミネラルが溶け出す「脱灰」と、溶け出されたリンやカルシウムが唾液の作用によって歯に取り込まれる「再石灰化」が繰り返されています。

この再石灰化のタイミングで、黒色系の色素も一緒に取り込まれることで黒く着色するといわれています。また、虫歯が進行していく中で、タンパク質が分解され炭素ができることで黒くなる場合もあるでしょう。

「虫歯=黒」ではない!

虫歯は基本的に黒色系をしていることが多いですが、なかには「白い虫歯」もあります。初期虫歯や虫歯の前兆の状態だと、歯の表面に白い斑点や白濁のようなものが見られます。
他の歯と比べてみると透明感が少なく、くすんだような見た目をしているのが特徴です。

黒色系の虫歯にも種類があり、虫歯の進行度は決して同じではありません。
例えば、奥歯の溝が黒くなっている場合、初期段階であれば経過観察をすることも多いのですが、穴が開いているならば虫歯が進行中といえるでしょう。

その場合には早めの治療が必要です。穴が開いていても、ただの小さな黒い点に見えることも多く、他にも茶色や褐色をした虫歯もあります。
歯医者では経過観察をする場合もあれば、必要に応じて治療が必要な場合もあり、自身で虫歯を色だけで判断するのは難しいため、歯科医院でプロに検査してもらうことが重要です。

経過観察で済むのならそれに越したことはないですし、定期検診に通うことで、もし進行してしまったとしても早期治療を受けることが可能です。

歯が黒くなる原因は虫歯以外にもある


歯が黒くなるのは虫歯だけでなく、タバコやつめ物なども原因になる可能性があります。

着色汚れやタバコのヤニ

虫歯以外で歯が黒くなる原因の代表格といっても過言ではありません。タバコのヤニが歯の表面に沈着することで歯が黒くなります。
タバコを吸う回数が多かったり、長年吸っているとその分黒ずみやすいでしょう。歯の変色が気になる人はタバコの本数を抑えるのがおすすめです。

また、喫煙しない人でも色の濃い食べものや飲みものによって徐々に歯が変色します。人それぞれ歯の質が異なるため、着色のしやすさも個人差がありますが、着色しやすいものはカレー、ワイン、ぶどう、コーヒー、紅茶などが挙げられます。
これらは日々の食事で少しずつ蓄積されていきます。飲食後はなるべく早めに歯磨きをしたり、水で口をゆすいだりすると着色を抑えることにつながります。

つめ物の変色

金属のつめ物やかぶせ物が入っている場合、金属の成分が流出し、歯や歯ぐきを黒くすることがあります。保険診療で使われている金銀パラジウム合金という銀歯の材質は、この流出を起こしやすいため黒く着色しやすいです。

では、白いつめ物なら問題ないかというと、そうとも限りません。主に小さい虫歯を治療する際に保険診療で使われているコンポジットレジン(プラスチックのような材質)は水分を吸収する性質を持ち、経年劣化とともに茶色や黒色に変色します。
長い目で見た時に変色が気になるようであれば、劣化しにくいセラミックなどの材料を選択することも視野に入れて歯科医院で相談してみましょう。

黒い歯石

歯石は歯と似ていて、白色や乳白色のものが多く、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境い目につきやすいです。しかし歯周病が進行している場合、歯周ポケットに溜まった歯石は炎症や出血をともない黒い色をしていることもあります。

歯ぐきの境い目あたりが黒っぽく見えるようであれば、それは歯石かもしれません。
黒い歯石がつき始めている場合、歯周病がある程度進行している可能性もあるため、早急に歯石除去や歯周病の治療をすることが大切です。

歯医者の定期検診で虫歯を早期発見

歯が黒くなる原因は虫歯の他にもたくさんあり、一概に色だけで判断することは難しいです。
着色汚れは見た目は気になるものの歯への悪影響は少なそうに思うかもしれませんが、歯の表面がざらつくことで歯垢がつきやすくなり、虫歯や歯周病になりやすい環境を作り出してしまいます。

こびりついた着色汚れは歯磨きで落とすことが難しいため、歯科医院で歯のクリーニングがおすすめです。
つめ物の劣化や黒い歯石は歯科医院でチェックしてもらい、必要に応じて新しいつめ物に作り替えたり、歯周病の治療を受けるのが良いでしょう。

小さな変化に気付いてお口の健康を保ちましょう

歯が黒くなっていることに気付いたら、たとえ痛みがなくても歯科医院へ行きましょう。その原因が何なのかを知ることが大切です。
また、虫歯は黒いものだと思い込んでいると、知らぬ間に虫歯が進行してしまう恐れがあります。
色だけで虫歯かどうかを判断することは難しいです。定期的に歯医者の定期検診を利用することで、変色の原因を理解するだけでなく、早期発見・早期治療を受けることができます。
予防のために歯医者を活用し、数十年後もお口の健康を維持できるようにしましょう。

記事を検索する