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【歯科衛生士が解説】予防歯科とは?治療内容や定期検診が必要な理由

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予防のための歯医者

【歯科衛生士が解説】予防歯科とは?治療内容や定期検診が必要な理由

【歯科衛生士が解説】予防歯科とは?治療内容や定期検診が必要な理由

更新日:2023.02.11

予防のための歯医者

歯を残すためには虫歯治療は必要ですが、それ以上に大切なのが予防です。
歯の治療回数には限りがあり、どんなに質の高い治療を受けたとしてもいずれは歯として使えなくなってしまいます。それを防ぐには丁寧なお手入れや歯科医院でおこなうクリーニング、フッ素塗布といった予防が欠かせません。
今回は歯科衛生士のNYUiiiが予防歯科の具体的な治療内容や、予防が必要な理由をわかりやすくご紹介します。

予防歯科とは?これまでとの違い

歯科医師と患者
これまでは「虫歯ができたら治療して治す」というやり方が主流でした。
しかし最近では、自分の歯を使い続けるために「虫歯ができないように予防をする」という考え方が広まっています。

治療では歯を元どおりにすることはできない

虫歯治療では歯を完全に治すのではなく、レジンとよばれる樹脂や金属で修復します。削った部分の組織はもとには戻らないため、治療を重ねればそれだけ歯の厚みは失われ、ヒビや破折といったトラブルがおこりやすくなります。

どんなに精密な治療をおこなっても、一度も削ったことのない天然の歯より優れている状態にはできません。治療経験のない歯をどれだけ維持できるかで将来のお口の環境は大きく変わります。そのために、虫歯ができないための予防が必要なのです。

今、日本で予防歯科が必要な理由

厚生労働省がおこなった「平成28年国民健康・栄養調査結果」によると、過去1年間に日本で定期検診を受けた人の割合は全体の52.9%で、以前にくらべてどの年代も増えています。

それだけお口のなかに関心を持つ方が増えたということですが、先進国であるスウェーデンやアメリカはさらに高く、その理由として保険が使えないことが挙げられます。
毎回の治療が高額になるため、安易に受けられません。幼い頃から予防が習慣化しているのはそのためです。

日本では医療機関の負担軽減のために予防が必要

少子高齢化の進展にともない、歯科保健医療の提供体制について変化が求められています。
その内容としては、今後は口腔機能の維持・向上や回復、疾患等の予防、重症化予防に対する需要が増加するため、各地域において歯科医療機関の役割の明示・分担を図るとともに、他職種や他分野との連携体制の構築などをおこない、治療をすすめていくというものです。

そうすることで医療機関の負担軽減につながり、患者様にも食べる楽しさをより長く感じていただけます。

出典:厚生労働省「平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要」p.31

出典:厚生労働省「歯科口腔保健に関する最近の動向」p.7

予防歯科の要!歯科定期検診では何をする?

歯科医院の設備
虫歯や歯周病予防につながる歯科定期検診では、検査やクリーニングなどをおこないます。歯科医院によって内容に多少の違いはありますが、大まかな診療内容をご紹介します。

PMTC(機械的清掃)

PMTCとは、プロがおこなう機械的清掃のことを指し、歯石を除去するスケーリングや、着色やバイオフィルム(細菌が集まってできた透明な薄い膜)を除去する歯面研磨などがおこなわれます。

歯石は歯垢が2日放置されることで形成され、歯ブラシの毛先の力では除去できません。表面はざらついており、歯石があるだけでさらに汚れがたまりやすくなるため、定期的な除去をおすすめします。
また、バイオフィルムも汚れが付きやすくなる原因です。治療で使用した薬液が浸透しにくくなるデメリットもあるため、こちらも定期的に除去しましょう。

ブラッシング指導

歯磨きは毎日おこなうものですが、気づかぬうちに「磨き癖」がついている場合がほとんどです。磨き癖があると同じ部位に磨き残しがおこりやすいため、改善しなくてはいけません。

ブラッシング指導では、お口の状態に適した歯ブラシの選択から正しい持ち方、力の入れ方、動かし方などを分かりやすくお伝えします。汚れの除去率をあげるためにはフロスや歯間ブラシといった補助用具も欠かせないため、こちらも練習からはじめましょう。
定期的にブラッシング指導を受けることで、予防効果の高いお手入れを維持できます。

唾液検査

唾液検査では、虫歯のリスクの高さや原因を知ることができます。検査といっても痛みはなく、専用の容器に唾液を入れるだけです。
唾液の分泌量が多ければそれだけ虫歯に対する抵抗力や再石灰化(自然修復)の力が高く、虫歯や歯周病のリスクも低いとされています。

虫歯菌がお口の中にどれだけ存在するのかを数値化して知ることができるため、予防のモチベーションアップにも効果的です。
虫歯になりやすい方や乳歯から永久歯に生え変わりはじめたお子様、妊娠中の方、矯正治療中の方など、虫歯のリスクが高くなりやすい状態の方は積極的に受けるようにしましょう。

フッ素塗布

フッ素は、歯の再石灰化(自然修復)を促進し、エナメル質の強化に役立つ成分です。近年では市販の歯磨き粉にもフッ素配合の商品が多くなっており、お子様向けのものも存在します。

歯科医院で行うフッ素塗布では、高濃度のフッ素を塗布するため、歯磨き粉よりも効果が得やすく、毎日おこなう必要はありません。回数を重ねるごとに歯は強くなっていきますので、フッ素入りの歯磨き粉とあわせて定期的にフッ素塗布も受けるようにしましょう。

予防歯科への受診を習慣化して虫歯ゼロの状態へ

虫歯を放置するより治療を受けたほうが歯は長持ちしますが、それ以上に治療をする必要のない状態を維持することが大切です。治療を何度も繰り返すよりも経済的負担が軽くなるため、歯科治療でお金をかけたくない方にも予防はおすすめです。

質の高いお手入れを維持するためには、定期的なブラッシング指導が欠かせません。普段使っている歯ブラシがあると改善点やポイントをより分かりやすくお伝えできるため、ご来院の際にはできるだけ持っていくことをおすすめします。
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