【要注意!】虫歯を放置するとどうなる?悪化すると起きることとは
更新日:2023.01.07
虫歯が進行すると神経にまで到達し、激痛に襲われます。これを耐え忍ぶとやがて痛みは落ち着きますが、虫歯がなくなったわけではありません。症状が緩和されたことであたかも虫歯が治ったと勘違いし、治療に行かず放置してしまう人がいますが、そのままにしておくと危険です。歯だけにとどまらず、全身に害を及ぼす可能性があります。
目次
虫歯は自力で治せない!放置するリスクとは
虫歯は一度進行すると治療しない限り自然に治ることはありません。虫歯菌が歯、そして歯の神経を破壊することで歯をボロボロにしていきます。そのまま放置すると虫歯菌がさらに悪さをし、さまざまなリスクが発生します。
虫歯のサインとして代表的な「噛むと痛い」「水がしみる」といった症状が出ると、食事をするのもままならず、だんだんと食欲不振になっていきます。栄養がしっかり摂れず体力や免疫力の低下から他の病気にもかかりやすくなってしまい、悪循環となります。
さらに進行し神経にまで到達すると何もせずとも激痛が走り、日常生活を送ることも難しくなるでしょう。十分な睡眠をとることもできず、体調を崩しやすくなります。
また、歯が蝕まれることで腐敗臭のような口臭が発生します。虫歯の進行により神経や歯ぐきの炎症や膿も口臭の原因となるのです。
虫歯が悪化すると何が起こる?
虫歯は進行具合によりCOからC4の5段階に分別され、症状や見た目などからある程度どの段階かが分かります。
・CO
初期虫歯の状態で、自覚症状はまだありません。歯の表面に白濁や白斑などが見られる場合があります。この段階では削る治療よりもフッ素塗布などの予防処置をすることで歯の再石灰化をはかることが多いでしょう。しっかりケアすることで虫歯の進行を抑えることができます。
・C1
歯の表層部であるエナメル質まで虫歯が進行しています。歯の表面に穴があいている場合もありますが、痛みなどの自覚症状はほぼありません。以前より食べ物のつまりが気になったり、舌で触ると違和感があるなどのサインはこの段階の虫歯が疑われます。
・C2
さらに進行し虫歯が象牙質まで及んでいる段階です。痛みや甘いもの、冷たいものがしみるなどの自覚症状が出てきます。この段階で虫歯に気付く人はとても多いです。
・C3
虫歯が歯の神経にまで到達し、神経や血管を蝕んでいきます。この段階までくると熱いものがしみたり、何もしなくても激しい痛みを伴います。これまで我慢してやり過ごしていた痛みとは比べ物にならないため、この激痛に耐えられず歯科医院を受診する人も多いでしょう。
・C4
虫歯の末期の状態で、歯がすっかり溶けて歯の根だけが残ります。神経が完全に蝕まれているため激しい痛みは治まりますが、治療をして元の状態に戻すことが困難で、抜歯が必要になるケースが多いでしょう。
全身の健康に悪影響が起きる場合もある
虫歯は自然に治ることはありません。放置すればするほど悪化し、全身にも悪影響を及ぼす可能性があります。それは虫歯とは一見無関係に思えるものや命にかかわる病気にまで発展することもあるのです。
骨髄炎へ進行
虫歯菌が歯の根の先から顎の骨に広がり、骨髄に感染し顎の骨を腐らせることで骨髄炎を引き起こします。骨髄炎は発熱や嘔吐などの症状が出るので風邪と勘違いし、一見骨髄炎とは分かりにくい病気です。また慢性化すると再発を繰り返し、治療が難しくなります。
参考:社会福祉法人 恩賜財団 済生会「顎骨骨髄炎 (がくこつこつずいえん)」
副鼻腔炎へ進行
特に上の歯の虫歯を放置することで起こりやすい病気です。副鼻腔の粘膜を通じて細菌感染することで炎症が起こり、鼻水や頭痛などの症状が見られます。さらに放置すると常に鼻がつまった状態が続き、蓄膿症になることもあります。
脳梗塞や心筋梗塞などへ進行
虫歯を放置することで最も恐ろしいのは、腐敗した細菌が血液に侵入し、血管を通り全身に運ばれることです。この細菌が脳にいくと脳梗塞、心臓にいくと心筋梗塞を引き起こすことがあります。稀なケースではありますが、実際に虫歯の放置が原因で死に至った例があります。死に直面する病気を引き起こす可能性があるというのは見過ごせない事実です。
そのほかにも糖尿病やがん、認知症の原因にもなり得るため、虫歯を放置せずにお口の中を綺麗に保つことは全身の健康にもつながります。
虫歯かな?小さなサインを見逃さないで
虫歯は進行するほど治療の時間やコストがかかります。放置することでさまざまな病気を引き起こし、稀ですが命を落とすことにもつながります。自然に治ることはないので、なるべく早い段階で治療を受けることが大切です。
食べ物がつまりやすくなった、最近違和感を感じるなど小さなサインは何かしら問題が起きていることが多いです。痛みが出る前に歯科医院を受診しましょう。また、定期検診に通うことで少しの変化にも気付きやすくなり、早い段階で最小限の治療に抑えることができます。お口の健康から全身の健康も守っていきましょう。