ドライマウスの対策は可能?自宅や歯医者でできる対策方法をご紹介
更新日:2023.11.16
ドライマウスは何らかの原因で唾液の量が減り、口の中が乾燥しやすくなる状態です。
そのままにすると口臭の原因になるため、特に女性で気になっている方も多いのではないでしょうか。
ドライマウスは自宅での心掛けや歯医者での治療で対策することができます。
今回はドライマウスが気になる人に向けて、症状や対策方法についてご紹介します。
目次
ドライマウスにはどのような症状がある?原因はさまざま
ドライマウス(口腔乾燥症)は初期の段階では口の中がねばつくぐらいで、それほど意識をすることは無いかもしれません。
しかし、症状が進むと口臭がきつくなったり、舌がピリピリと痛んできちんと食事がとれなくなるなど日常生活に支障をきたす場合があります。
3ヶ月以上口が乾いた状態が続く場合は、ドライマウスの可能性があります。ドライマウスの状態が続くと、虫歯や歯周病になりやすくなったり、口臭がきつくなったりします。口臭以外にも以下のような症状が現れるようになります。
- 舌がひび割れ、出血や痛みを伴う
- パサパサしたものや水分が少ない食べ物が食べにくい
- 味がわかりづらい
- 舌がくっつき話しづらい
- あごの下あたりが腫れている感じがする
- 水をたくさん飲みたくなる
- 口の中がねばねばしている
ドライマウスの原因は?
ドライマウスを発症する原因はさまざまです。
- 病気
- 脱水症状
- 口呼吸
- ストレス
- 薬の副作用
薬の副作用を原因の1つに挙げましたが、ドライマウスを引き起こしやすい薬としては抗うつ剤や抗不安薬、降圧剤、鎮痛剤などがあります。
日常的にストレスを受けている人も自律神経が乱れることにより、唾液の分泌が正常に行われなくなってドライマウスになりやすいです。
どれか1つが原因となっているケースもありますが、原因がいくつか組み合わさってドライマウスを発症してしまっているケースも少なくありません。
ドライマウス対策は歯医者でできる
ドライマウスの治療を始めようと思われた際は、まずかかりつけの歯医者さんに相談することがおすすめです。
普段通っている歯科医院がドライマウスの治療は行っていない場合、ドライマウスの治療を行っている歯科医院や大学病院の口臭外来、口腔外科などを紹介してもらいましょう。
また、日常的なストレスがドライマウスの原因と考えられる場合、心療内科でカウンセリングを受ける方法もあります。
ただし、口臭の治療に特化した歯科医院や口臭外来はまだ数が限られていますので、病院の評判や先生との相性も気になるところです。
参考程度に口臭治療について詳しく情報を提供している、病院のWebサイトを見ることをおすすめします。
ドライマウスの検査はどのように実施する?
実際に病院ではドライマウスの診断がどのような形で行われるのでしょうか。
まずはアンケートでドライマウスの症状がどれだけあてはまるか、自覚症状のチェックを行います。そして、ガムを10分間噛み続けて、その間に出た唾液の総量を測定する唾液量検査を行います。
自覚症状があり、口の中を診察した際に舌苔が多く口臭がきつい等の症状が認められ、かつ唾液量検査で唾液の分泌量が10ml以下であった場合、ドライマウスと診断されます。
ドライマウスと診断された場合、さらに唾液腺機能シンチグラムという検査を実施。その結果、唾液を作る機能が低下していると診断された場合、原因を探るためにさまざまな問診が行われます。
原因がシェーグレン症候群(自己免疫疾患)によるものと疑われる場合は、さらに特殊な検査を受けることになります。
ドライマウスの原因が例えば糖尿病の場合は、糖尿病を改善しなければドライマウスも改善されることはありませんので、糖尿病の専門医と連携した治療が必要です。
歯医者で行われるドライマウスの治療
ドライマウスは生活習慣を改善することにより症状が緩和されることもありますが、歯医者で治療することになった場合は、具体的にどのような治療法があるのでしょうか。
殺菌水を使用した治療法
口内にいる歯周病菌や虫歯菌といった口臭の原因になり得る菌を殺菌できる、殺菌水を毎日使用する方法です。
ドライマウスを根本的に治療する方法ではなく、ドライマウスが原因による口臭を緩和する治療方法となります。
サプリメントや薬品を使用した治療法
ドライマウスの治療では口の中を潤わせることが不可欠ですので、人工唾液や保湿ジェル、唾液分泌促進薬、漢方薬、保湿剤が含まれた洗口液・スプレーなどが処方されることが多いようです。
軽度のドライマウスの場合、洗口液やスプレーだけが処方されることもあります。
これらの製品は、口内を潤す役割を果たします。また、保湿ジェルに比べて広がりやすく、手軽に何度でも使用できるという利点もあります。
そのほか、唾液の分泌を促進するサプリメントや、生活習慣病の原因となる活性酸素を取り除くサプリメントによる治療方法もあります。
唾液腺を刺激する治療法
唾液腺を刺激することによって、唾液の分泌を促しドライマウスを治療する方法も効果があるとされています。
具体的には唾液腺を直接マッサージすることや、舌・口の周りの筋肉に一定の負荷をかけて鍛えることにより唾液を分泌させるという治療法です。
キャンディをなめたり、ガムを噛んだりすることで唾液腺を刺激し、唾液の分泌を促進させることも治療の1つです。
そのほかにも、近赤外線と超音波を発する特殊な口腔ケア機器を使用して、口の中をマッサージすることにより唾液の分泌を促進する治療方法があります。
日頃からできるドライマウス対策
ドライマウスの治療法をいくつか紹介しましたが、ドライマウスの状態を改善する為には普段から以下のようなことを心掛け、自律神経の働きを整えることが重要です。きちんと唾液が分泌される状態にしていきましょう。
- 鼻で呼吸する
- バランスのとれた食生活
- きちんとよく噛んで食べる
- 適切に水分を補給する
- 適度に運動する
- 規則正しい生活を送る
- できるだけストレスを取り除く
ドライマウス対策は口臭対策にもつながる
ドライマウス(口腔乾燥症)は初期段階ではさほど気になることはありませんが、進行すると口臭がきつくなる、きちんと食事がとれなくなるなど日常生活に支障をきたす場合があります。
薬の副作用やストレスなどが原因で唾液の分泌が減ることが原因の1つに挙げられます。
ドライマウスの治療を始める際は、まずかかりつけの歯医者に相談し、専門医を紹介してもらうことが重要です。
治療は口の中を潤わせることが不可欠で、口内の菌を殺菌する殺菌水や唾液代替品、保湿剤、サプリメント、唾液腺刺激法など多岐にわたります。
適切な治療を選択することに加えて、鼻呼吸や食事をよく噛むこと、こまめな水分補給、適度な運動、ストレス管理などの自己ケアも重要です。