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口臭にはどんな臭いがある?2つの種類と原因、予防方法までご紹介

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口臭にはどんな臭いがある?2つの種類と原因、予防方法までご紹介

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口臭にはどんな臭いがある?2つの種類と原因、予防方法までご紹介

更新日:2023.01.29

口臭対策

自分では気づきにくいお口トラブルの一つに、口臭があります。
マスクをする機会が多くなり、自身の口臭に気づいたという方も多いのではないでしょうか。
口臭には種類があり、適切な方法で対処しなければ止まらない可能性があります。今回は、歯科衛生士のNYUiiiが口臭の種類や原因、予防方法についてまとめました。しつこい口臭でお悩みの方は参考にしましょう。

口臭の種類は2つ

口臭は大きく分けて「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類に分けられます。それぞれの違いを知って、口臭予防につなげましょう。

生理的口臭について

生理的口臭とは、健康な方でもおこる口臭です。
起床時やストレスを感じているとき、緊張や不安を抱えているときなどに発生しやすく、病気ではありません。
また、飲食物によって生じる口臭も病的なものではないため、生理的口臭に分類されます。

病的口臭について

病的口臭とは、病的なものが原因で引き起こされる口臭です。
病的口臭の90%以上はお口トラブルといわれており、治療をしなければ止めることはできません。虫歯や歯周病、舌の表面についている舌苔(ぜったい)は、とくに臭いを発しやすいため注意が必要です。

出典:日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 第39巻「口臭の分類方法」p.88

口臭にはどんな臭いがある?原因も解説

一口で口臭といっても、臭いには様々なタイプが存在します。ご自身で口臭を感じている方は、ぜひ確認しながらご覧ください。

甘酸っぱい臭い

糖尿病の疑いがあり、間違ったダイエットをしている方も甘酸っぱい口臭がすることがあります。
炭水化物やたんぱく質不足が原因で中性脂肪が燃焼し、臭いを放つ脂肪酸に変化することで口臭が引き起こされます。

卵が腐ったような臭い

胃腸の病気にかかっていると、消化不良が原因で胃や腸にある食べ物が異常発酵し、卵が腐ったような口臭が引き起こされます。

カビのような臭い

肝機能の低下や慢性肝炎などがみられると、肝臓で分解されるはずの臭いがそのままカビ臭い口臭として現れることがあります。

肉が腐ったような臭い

炎症がメインの病気(口内炎や歯周病、副鼻腔炎、鼻炎、扁桃腺炎、肺炎、気管支炎など)があると、肉が腐ったような口臭が引き起こされます。

アンモニア臭

腎機能低下や尿毒症がみられると、アンモニアのツンとした臭いが口臭となって現れやすくなります。

お口トラブル由来の口臭の原因物質は、硫化水素やメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの揮発性硫黄化合物です。とくに硫化水素とメチルメルカプタンの割合が多く、全体の約90%を占めるとされています。
空気を嫌う嫌気性菌が唾液や血液、食べかすに含まれる含硫アミノ酸を分解・腐敗することで産生されるため、菌の増殖が盛んになる歯周病の方はとくに注意が必要です。

出典:神奈川産業保健総合支援センター『「不快な口臭」の予防』

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「口臭の原因・実態」

口臭を予防するためにできること

歯磨きとうがい薬

口臭を予防するためには、自宅でおこなうセルフケアと歯科医院で受けるプロフェッショナルケアの両方を意識することが大切です。

口臭予防に役立つセルフケア

セルフケアは毎日おこなうことでより効果が高まります。

質の高いお手入れ
歯ブラシの毛先が歯面のどこに当たっているかを意識して磨きましょう。
歯ブラシのみのお手入れではどんなに丁寧に磨いても全体の6割程度しか汚れを落とすことができないため、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助用具の使用もおすすめします。
補助用具の正しい使い方については、直接歯科医院でご確認ください。

唾液腺マッサージ
お口の中が乾燥すると菌が増殖しやすくなり、それによって口臭が強くなります。そのため頻繁に水分を取ったり、唾液腺マッサージをしたりするなど唾液の量を増やす工夫が大切です。
唾液が分泌される唾液腺は、「舌下腺(ぜっかせん)」「顎下腺(がっかせん)」「耳下腺(じかせん)」の3種類が存在し、舌下腺はあごの真下、顎下腺は下顎のラインの内側あたり、耳下腺は耳たぶの少し前あたりに位置します。
舌下腺と顎下腺は親指で押し上げ、耳下腺は親指以外を沿えて円を描くようにマッサージをしましょう。

シュガーレスガムを噛む
唾液の分泌を促す方法として、ガムを噛むのもおすすめです。
糖は菌の栄養分となるため、摂りすぎはよくありません。糖が入っていないシュガーレスガムや、虫歯のリスクが低いキシリトールガムを選ぶようにしましょう。

口臭予防に役立つプロフェッショナルケア

プロによるケアは2〜3か月に1回を目安に受けることをおすすめします。

クリーニング
歯科でのクリーニングは、普段のお手入れでは取り切れない汚れを、専用の器具や機械を使って除去する処置です。
口臭の原因になりやすい空気を嫌う嫌気性菌は、歯周ポケット内に多くみられ、歯周病が進行すれば菌の数も増える傾向にあります。
菌の住処である歯垢や歯石を歯科医院で定期的に除去することで、歯周病や口臭の予防につながるでしょう。

ブラッシング指導
普段のお手入れをより質の高いものにするには、ブラッシング指導がおすすめです。
自分では気づきにくい磨き癖を改善できるため、口臭だけでなく虫歯や歯周病予防にも役立ちます。定期的に受けることでより効果を感じやすくなるでしょう。

出典:神奈川産業保健総合支援センター『「不快な口臭」の予防』

口臭の原因を知って適切な方法で改善しよう

口臭は「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類に分類され、生理的口臭の多くはお口の中を潤すことで改善されますが、病的口臭は原因となる問題を解決しなければ止まらない特徴があります。
90%以上がお口トラブルであるため、しつこい口臭でお悩みの方は一度歯科医院へ相談しましょう。
虫歯や歯周病、舌苔など口臭の原因を明確にし、適切な方法で治療や処置をすることが、快適な日常を過ごすためのポイントです。

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