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歯周ポケットの深さは何ミリが正常?歯周病で深くなっても歯医者で戻せる!

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歯周病の予防

歯周ポケットの深さは何ミリが正常?歯周病で深くなっても歯医者で戻せる!

歯周ポケットの深さは何ミリが正常?歯周病で深くなっても歯医者で戻せる!

更新日:2023.06.26

歯周病の予防

歯ブラシや歯磨き粉の広告で「歯周病」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。
身近なお口の中の病気だと認識している人は多いかと思いますが、実際には何をもって歯周病と呼ぶのでしょうか?
「歯周ポケット」はその深さで歯周病の進行具合がある程度わかります。軽度の歯周ポケットであればブラッシングで改善や予防が可能。歯周ポケットの深さを知ることは自分のお口の状態を把握することにつながるのです。

歯周ポケットとは?健康な歯肉の深さ

健康な歯茎
歯と歯ぐきの間には溝があります。健康な歯ぐきの場合、この溝は3mm以下です。

しかし、歯垢などの磨き残しや不適切なブラッシングなどによりこの溝に汚れがたまると、細菌が増殖することで歯ぐきが炎症を起こします。

するとだんだんとこの溝が深くなり、歯ぐきだけでなく歯を支える周りの組織を破壊していきます。炎症が歯ぐきまでにとどまっている状態を歯肉炎と呼びますが、歯周病はさらに進行し歯を支える周りの骨を溶かしていく病気です。

歯周ポケットが4mm以上は歯周病かも

炎症が起きて深くなってしまったこの溝のことを「歯周ポケット」と呼びます。歯周ポケットが4mm以上あると歯周病といえます。

4〜5mmは初期の歯周病ですが、6mm以上で深くなればなるほど歯周病が重度に進行していることを示し、歯医者で歯周病の治療が必要となる場合があるでしょう。

酸素が少ない歯周ポケットの内部は、酸素が苦手な歯周病菌にとって住みやすい環境となり、歯周ポケットが深いほど歯周病菌の増殖が進みやすくなります。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周ポケット」

歯周ポケットの深さはどうやって測る?

歯周ポケットはプローブという器具を使って測ります。目盛りがついた細い針のような器具で、歯と歯ぐきの間の溝に差し込んで歯周ポケットの深さを測ります。

歯医者で歯ぐきをチクチク触られた経験はありますでしょうか?それは実は歯周ポケットを測っていたのかもしれません。歯周ポケットの測定は1本の歯に対して数ヵ所ずつ測っていくとても繊細な作業です。

健康な引き締まった歯ぐきはプローブを差し込んでもほとんど痛みはありませんが、歯周ポケットが深くなって歯ぐきに炎症が起きている場合には、出血を伴い腫れている部分に痛みを感じることがあります。出血や腫れ、歯周ポケットの深さから歯周病の進行具合が分かります。

一度深くなった歯周ポケットは回復する?

歯周病になってしまった歯
歯周ポケットの内部は歯周病菌が増殖しやすい環境であり、歯の表面に比べると歯垢が溜まりやすく除去が難しい場所でもあります。歯ブラシの毛先をしっかり当てるように意識することが大切で、歯周ポケットが深くなってしまうと歯垢を除去することがより難しくなります。

深さが3mm以下の場合

歯周ポケットが3mm以下、まだ歯周病に進む前であればセルフケアで歯垢を除去することができ、歯ぐきを引き締め健康な状態を保つことができるといわれています。

歯周ポケットが深くならないようには毎日のブラッシングが大切です。歯と歯ぐきの境い目に歯ブラシの毛先を45度の角度で当て、歯周ポケットの内部の汚れをかき出すようなイメージで磨くと良いでしょう。

また、歯ブラシだけでは取り除けない部分はフロスや歯間ブラシなども併用するとより効果的です。歯周ポケットに汚れが溜まったままだと気付かぬうちに深くなってしまうので毎日のセルフケアが欠かせません。

深さが4〜5mmの場合

歯周ポケットが4mm以上になってくるとセルフケアだけでは歯垢除去が難しくなります。歯医者でプロによる歯のクリーニングが必要です。歯周ポケット内部の汚れも専用の器具を使ってきれいに除去してもらうことで歯ぐきの状態が回復します。

深さが6mm以上の場合

歯周ポケットが6mm以上の重度の歯周病の場合には、歯ぐきを切開し、歯ブラシでは届かない部分に溜まってしまった汚れをしっかりと取り除く外科的処置が必要となることもあります。

歯周ポケットが深くなればなるほど、必要となる治療は複雑なものになり時間とコストだけでなく回復にも時間がかかります。

歯周ポケットが深くならないために日々のセルフケアと定期的な歯医者でのクリーニングが大切です。

歯周ポケットが深くなる前に歯医者でケアを!

歯周ポケットは浅いほど引き締まっていて健康な状態であるといえます。一度深くなってしまった歯周ポケットはセルフケアや治療により回復が可能ですが、歯を支える周りの組織を破壊してしまうと元には戻りません。

歯ぐきが痩せて見えることで見た目にも影響があります。適切なブラッシングと定期的な歯のクリーニングにより、歯周ポケットが深くならないようにすることが健康で引き締まった歯ぐきを保つことにつながります。

歯周ポケットの深さは自分では分からないため、歯医者でチェックしてもらい状態を把握することや日々のセルフケアの向上、歯のクリーニングなどが欠かせません。歯周ポケットが深くなってしまう前にしっかりとケアをしていきましょう!

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