予防歯科と口腔ケアのお役立ち情報を発信

歯周病になりやすい人の特徴は?予防のためにできること

トップ

歯周病の予防

歯周病になりやすい人の特徴は?予防のためにできること

歯の悩み

歯周病になりやすい人の特徴は?予防のためにできること

更新日:2023.02.05

歯周病の予防

歯周病とは、歯垢(プラーク)の細菌の感染により歯の周りの歯ぐきが炎症を起こし、歯を支える骨などを溶かしてしまう病気です。歯と歯ぐきの境い目に汚れが溜まることで歯ぐきが赤く腫れ、さらに歯周ポケットの中で細菌が増殖すると歯周病が進行します。
歯周病菌は毒素の強い物質を作り出し、お口の中に留まらず全身に悪影響を及ぼす可能性があることも分かっています。お口だけでなく全身の健康のためにも、歯周病になりやすい特徴やその予防法について学んでいきましょう。

歯周病の原因は?生活習慣も関係している

歯周病の原因は歯垢に含まれる歯周病菌です。
虫歯とは原因となる細菌の種類が異なり、痛みもほとんどありません。空気が触れない場所を好む歯周病菌は、歯と歯ぐきの境い目から歯周ポケットの中へと侵入し増殖していきます。
そして、歯周ポケットの中に深く入り込んでしまうとブラッシングで取り除くことは困難です。

その他にも不適合なつめ物やかぶせ物、歯並びや歯ぎしり食いしばりなど、間接的に歯周病の原因となるリスクは日常に潜んでいます。
また、歯周病の原因はお口の中だけでなく、以下のように全身に関わるものもあります。

  • ・喫煙
  • ・全身疾患(糖尿病や骨粗鬆症など)
  • ・ストレス
  • ・不規則な食習慣
  • ・睡眠不足

他には遺伝や肥満、服用薬や女性ホルモンの影響を受けることもあるとされます。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周疾患の症状・原因・進行」

歯周病になりやすい人の特徴

歯周病はひとつひとつが直接的な原因とは限らず、いくつかの要因が重なることでそのリスクが高まるとされています。以下の特徴に該当する方は気をつけましょう。

歯磨きをあまりしない人・苦手な人

歯にプラークがつき、そのままにしておくとお口の中の細菌がどんどん増えていきます。
歯磨きの頻度が少なかったり、磨いているつもりでもしっかりと歯垢を落とすことができていなければ意味を成しません。
歯周病は生活習慣病であり、正しい歯磨きを習慣づけることが鍵となります。

喫煙する人

喫煙は全身に害を及ぼしますが、歯周病のリスクも増大させます。たばこを吸う人は吸わない人に比べて歯周病になりやすく、進行も速いです。

さらには歯周病の治療をしても治りが悪いということも分かっています。
主な理由としては、下記の3点が挙げられます。

  • ・血管を収縮させ歯ぐきの血行が悪くなるため、酸素や栄養が十分に行きわたらなくなる
  • ・見た目には気付きにくいが、歯周病菌に対する抵抗力が低下し、歯周病を重症化させる
  • ・たばこに含まれる有害物質が歯につくことでプラークもつきやすくなる

歯ぎしりや食いしばりをする人

歯を前後左右にスライドさせる歯ぎしりや、ぐっと噛みしめてしまう食いしばりをする人は、歯に必要以上の負担がかかり、歯や歯ぐき、支えている骨へダメージを与えてしまいます。

何かに集中している時や日常的に上下の歯が触れ合っていたり、就寝中無意識のうちにしてしまっている人が多いため、歯ぎしりが多い方は意識することが必要です。

歯並びが気になる人

きれいに整った歯並びは誰しもが持っているわけではなく、歯が重なり合ったり傾いている、あるいは加齢とともに歯並びが少しずつ変化していくことがあります。

歯磨きがしづらい部分にはプラークが溜まりやすくなり、そこから歯周病につながることがあります。

女性

男性に比べて女性のほうが歯周病になりやすいといわれます。歯周病の原因となる細菌の中には、女性ホルモンをエネルギーとするものがあるためです。
特に、女性ホルモンの分泌が活発になる妊娠時には、歯周病のリスクが高まります。

疲れている人

疲労やストレス、睡眠不足などにより身体の免疫力が低下すると、お口の中の免疫力も低下します。
細菌感染である歯周病にもなりやすくなり、悪循環が生まれます。風邪を引きやすい人や体調を崩しやすい人は歯周病のリスクが高いといえるでしょう。

歯周病になる人は20代以降、年齢とともに増えます。生活習慣の変化が要因といわれています。
一番多いのは55〜64歳で、それ以降は歯を失う割合が増えていきます。もちろん個人差があり、10代のうちから歯周病のリスクが潜んでいる可能性もあるでしょう。

歯周病を予防するためにできること

これらの特徴が自分に当てはまっているかどうか、一度生活習慣や食習慣を見つめ直してみるのがおすすめです。
成人の3人に2人が歯周病といわれていますが、日々のブラッシングをより効果的なものにできれば予防につながりますし、すでに歯周病と診断されていても進行を遅らせることができます。

また予防には歯医者での定期的なメインテナンスが欠かせません。定期的に歯科検診や歯のクリーニングを受けることで、歯磨きのコツを学んだり、生活習慣のアドバイスを受けたりすることができます。
歯ぐきの腫れや出血が続く場合は、歯医者で相談してみることをおすすめします。

歯周病の傾向を知ることで対策ができる

歯周病になりやすい人の特徴が分かると、そうならないために気をつけて行動したり、対症療法を受けるなど対策を講じることができます。
自分が歯周病なのか、そうだとしたらどの程度進行しているのかは自分ではなかなか分かりにくいものです。
歯医者で今の状態をチェック・検査してもらい、歯のクリーニングなど適切な処置を受けるとともに、悪化しないように努めていくようにしましょう。

記事を検索する