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【知ってる?】コーヒーの健康効果と歯周病予防|飲み方のポイントと注意点

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歯周病の予防

【知ってる?】コーヒーの健康効果と歯周病予防|飲み方のポイントと注意点

【知ってる?】コーヒーの健康効果と歯周病予防|飲み方のポイントと注意点

更新日:2023.02.09

歯周病の予防

近年、コーヒーの健康効果についてよく話題に上がります。私も毎日コーヒーを飲んでいますので、その効果は気になるところです。コーヒーを毎日飲むことで死亡率が下がるという報告もあります。
このほか、コーヒーには肥満やうつ病の改善、糖尿病リスクの低減なども期待されているのです。しかし、コーヒーが体にいいからといって、やみくもにガブガブと飲めばいいわけではありません。歯周病に良い影響をもたらすためには、その飲み方がカギをにぎるのです。
今回は、歯周病とコーヒーについて管理栄養士の石松が解説します。

コーヒーが歯周病予防に効果があるかは不明

結論からいうと、コーヒーを飲むと歯周病になりやすいという論文に十分な根拠はありません。

コーヒーを飲むと歯周病になりやすい?

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。ほとんどの場合で腫れや痛みがないため気づきにくいですが、悪化すると歯茎や歯を支える骨が溶けてしまうという恐ろしい病気です。近年では、あらゆる全身疾患との関連性も指摘され始めています。

ある研究では、コーヒーをよく飲む人ほど歯周病になりやすいという報告もありますが、はっきりとした根拠があるわけではありません。そこで、コーヒーの機能性から歯周病との関連について考えていきましょう。

コーヒーがお口にもたらす良い影響と悪い影響

歯周病の予防において、良い影響をもたらすコーヒーの成分がポリフェノール、悪い影響をもたらす成分がカフェインだといわれています。それぞれについて、詳しく解説します。

良い影響:抗酸化作用

朝のコーヒーは交感神経を刺激して集中力を高めたり、活動を促したりしてくれます。また、香りはリラックスを与えてくれるものです。

歯周病に良い影響を与えるコーヒーの成分が、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸です。ポリフェノールとは、植物が紫外線などのストレスから自らを守るためにつくる抗酸化物質で、自然界には5000種類以上存在しています。

私たちは植物の抗酸化物質を体内に取り入れることで、過剰な活性酸素から自身の細胞を守ることができるのです。クロロゲン酸には強い抗酸化作用があり、末端への血流を促すことで歯周病予防に働きます。

悪い影響:脱水で唾液が減る

コーヒーが体に良いからといって飲み過ぎると、イライラや神経過敏、睡眠障害を引き起こす可能性があるのです。歯周病にも悪い影響を与えます。
特にカフェインの強い利尿作用は脱水を招きやすく、唾液の分泌量が減ってしまう可能性があります。ドライマウスは虫歯菌の繁殖を活発にするだけでなく、唾液による自浄作用もなくなるため、歯周病の悪化につながってしまうのです。

そうはいっても、現代人からコーヒーは切り離しづらいものです。最近ではカフェインレスコーヒーやデカフェという選択肢もありますので、上手に付き合っていく方法を模索してみましょう。

飲み方に気をつけて歯周病対策を

コーヒーと一概にいっても豆の品種や焙煎法、抽出法、飲み方などはさまざまです。コーヒーに砂糖を入れる方も多いのではないでしょうか? 

糖分によってエナメル質が溶け出す原因になる

砂糖は虫歯菌の大好物ですので、できればコーヒーは砂糖なしで飲みたいところです。
虫歯菌は砂糖をエサにして酸を作ります。口腔内が酸性に傾くと、歯の表面にあるエナメル質が溶けやすくなってしまうのです。
エナメル質は歯の内部を保護する、人体で最も硬い組織ですが、酸に弱いという弱点があります。エナメル質が溶けると、その部分から虫歯になりやすくなってしまうのです。

そのほか歯に悪影響のある飲み物

前述の通り、砂糖は虫歯菌を繁殖させて歯が溶けやすい環境を作ります。ここに酸性の飲み物が入ると、歯がさらに溶けやすくなります。
歯周病の原因となる酸性の飲み物にはオレンジジュース、炭酸飲料、ビネガードリンク、アルコールサワーなどがあります。大量の砂糖は歯が溶けやすい環境を作り出し、さらに自らの酸で歯を溶かしてしまうのです。

また、だらだらと長い時間飲み続けるのも良くありません。お口の中を常に酸性の状態にしてしまうことで歯周病リスクが高まるでしょう。
このような飲み物は決まったタイミングで飲むようにすることで、歯周病リスクを減らせます。飲んだ後は、水やマウスウォッシュで口をゆすぐのも効果的です。

自分に合った飲み方を見つけて歯周病予防に活かしましょう

コーヒーが体に良いからといって、やみくもに飲めばいいわけではありません。コーヒーの健康効果が表れるか、副作用が表れるかは、飲み方次第ともいえるでしょう。
歯周病や虫歯を予防するには砂糖を入れない、たくさん飲みすぎない、カフェインレスコーヒーを選ぶ… というような、気をつけるべきポイントがあります。ぜひ、自分に合った飲み方を見つけ、健康な歯を守っていきましょう。

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