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歯磨き後のうがいは何回するべき?歯を守るフッ素の役割をご紹介

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歯磨き後のうがいは何回するべき?歯を守るフッ素の役割をご紹介

うがいの準備

歯磨き後のうがいは何回するべき?歯を守るフッ素の役割をご紹介

更新日:2023.02.07

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健康な歯を維持するために必要な成分の1つに「フッ素」があります。フッ素は歯医者に行くと塗ってもらえますが、歯磨き粉をフッ素配合の商品にするだけでも効果があるのはご存じでしょうか?
歯磨き後のうがいのやり方によって効果に差ができるため、まずは正しい方法を知ることが大切です。
今回は歯科衛生士のNYUiiiが「歯磨き後のうがい」について分かりやすくご紹介します。フッ素の効果をしっかり得たい方は参考にしましょう。

歯磨き後のうがいは1回がおすすめ

歯磨き粉を使うとお口の中が泡でいっぱいになるため、つい何度も口をゆすいでしまいがちです。ただ、歯磨き粉にフッ素が含まれている場合はうがいの回数に注意が必要です。
うがいの回数が多すぎると、フッ素の効果を半減させてしまう可能性があります。

歯の再石灰化(自然修復)や、歯の抵抗力の向上、細菌の働きを弱めるなど、フッ素は虫歯予防に欠かせない成分といっても過言ではありません。予防の効果を十分に得るためにも、歯磨き後のうがいは1回にするのがおすすめです。
ここからは満足のいくうがいをするために、おすすめの手順をご紹介します。

おすすめのうがいの手順

  1. 1.丁寧に歯磨きをしたらお口の中の歯みがき剤を吐きだします
  2. 2.お口の中に最小限の歯みがき剤が残っている状態で、約15mlの水を口に含みます(大さじ1杯程度です)
  3. 3.約5秒間お口の中に含んで、吐き出したら終了です

30分は飲食を控える

フッ素が歯に浸透するには、少し時間が必要です。お口の中が酸性に傾いてしまうと効果が薄れてしまうため、30分は飲食を控えて中性の状態を維持しましょう。

1日の間で歯磨き粉を分けて使っている場合は、フッ素入りのものを寝る前に使用することをおすすめします。就寝中は唾液の分泌量が少なくなるため、フッ素で歯を守ることが大切です。

うがいは1回にすべき理由。フッ素の役割とは?

フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、以下の効果が期待できます。

①カルシウムやリン補って歯を修復する(再石灰化)

虫歯になるとすぐに穴が開くわけではありません。菌の出す酸によって、まずエナメル質に含まれているカルシウムやリンが溶け出して脱灰状態になり、徐々に穴があいていきます。フッ素には歯にカルシウムやリンを補う役割があるため、脱灰状態であれば自然修復が期待できます。

②エナメル質を溶けにくい状態に変化させる(抵抗力の向上)

エナメル質にフッ素が浸透すると、フルオロアパタイトという安定した結晶構造に変化し、酸に対する抵抗力が高くなります。虫歯の進行を遅らせるための最適な成分といえるでしょう。

6歳以上であれば、1,000〜1,500ppmのフッ素配合歯磨き粉を使用できます。お子様が対象年齢になったら、仕上げ磨きで使ってみましょう。

③酸が作られるのを防ぐ(細菌の働きを弱める)

フッ素の抗菌作用によって細菌の活発化がおさえられ、虫歯の原因となる酸が作られにくくなります。

これら3つの役割を十分に発揮するためには、ある程度お口の中で停滞している時間が必要です。歯磨きをした後に何度もうがいをすると、せっかく取り入れたフッ素を流してしまうことにつながります。
先ほどお伝えしたうがいのやり方を参考にして、フッ素が薄まらないようにしましょう。

スウェーデンではうがいをほとんどしない?

スウェーデンは、日本にくらべて歯科に対する意識が高く、予防に力を入れることが当然とされています。
理由は、日本のように健康保険が適用されないため、1回の治療費が高くなる傾向にあるからです。無理のない生活を維持するためには予防が欠かせません。

スウェーデンにあるイエテボリ大学では、フッ素配合歯磨き粉の虫歯予防効果を大きく引き出す方法「イエテボリ法」を発案しました。
先ほどお伝えした方法と異なるため、気になる方は両方試してみるのもいいかもしれません。

イエテボリ法のやり方

  1. 1.歯磨き粉を2cmブラシにつけて、全体の歯の表面にのばします
  2. 2.2分間丁寧に歯を磨いて泡立ちを維持します
  3. 3.歯磨剤をお口に含んだまま10mlの水を追加し、30秒間そのまま洗口します

お口の中のものを吐き出した後は、うがいをせずに飲食も2時間取ってはいけない決まりとなっています。食事制限が気にならない方は試してみましょう。

うがいはきちんとすべきという意見もある

うがいのやり方についてはさまざまな意見や考え方が存在し、必ずしも今回お伝えしたやり方でなければいけないわけではありません。あくまで「おすすめ」として紹介したものであり、うがいは回数にこだわらずにきちんとすべきという意見もあります。
しっかりうがいをしたいけれど、虫歯予防効果が薄れるのは避けたいという方は、歯科医院でフッ素塗布を受けるといいでしょう。
定期的に受けることでフッ素の効果を十分に得ることができます。

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