予防歯科と口腔ケアのお役立ち情報を発信

歯磨きで血が出る時の対処法をご紹介!歯周病は歯医者で治療できる

トップ

歯周病の予防

歯磨きで血が出る時の対処法をご紹介!歯周病は歯医者で治療できる

歯茎からの出血時

歯磨きで血が出る時の対処法をご紹介!歯周病は歯医者で治療できる

更新日:2023.05.27

歯周病の予防

「歯磨きする時に出血することがある」という方は意外といらっしゃいます。この出血ですが、少量だからといって放置することは避けた方が良いでしょう。できるだけ早めに対処する必要があります。
この記事では歯科衛生士の島田千歌が、歯茎からの出血の原因や、出血を防ぐ歯磨きの方法などをご紹介します。

歯磨きで血が出るのは歯周病が原因かも

歯医者で患者さまとお話していると「歯茎から出血しても、少しの出血でそのうち治まるから、大したことないだろうと気にしない」という方に多く出会います。
しかし、本来は健康な歯茎であれば出血しないものです。出血するということは、何らかの原因があるということになります。

歯茎からの出血の原因として考えられるのは、大きく分けて「歯周病」である場合と、「歯茎を傷つけてしまった」場合です。

歯周病による出血

歯垢の磨き残しがあると、そこに含まれる歯周病菌によって歯茎は炎症を起こし赤く腫れたり、出血したりします。いわゆる「歯肉炎」と呼ばれる歯周病の初期の状態です。この時に気が付いて対処をすれば、比較的早く歯茎の炎症は治まっていきます。

しかし改善されない場合、歯茎の炎症はさらに悪化し、歯茎だけではなく歯を支えている顎の骨にまで影響が出始めます。これを「歯周炎」と呼び、失った骨や痩せた歯茎は元に戻すことができません。出血は、歯茎からの歯周病のサインなのです。

傷による出血

歯磨きの力が強い場合など、歯茎を傷付けてしまって出血することもあります。この場合は、傷ができるため痛みを感じることが多いでしょう。一方、歯周病が進行した場合も痛みは生じるため、自己判断せず歯科医院で診てもらうようにしてください。

また、磨く力が強いことで歯が削れてしまったり、歯茎が痩せてしまうこともあります。心当たりのある方は、早めに歯科医院で正しい歯磨きの方法を教えてもらうと良いでしょう。

歯周病の場合、血が出て怖いからといって歯磨きをやめるのは逆効果です。なぜなら原因は「磨き残した歯垢」のため、いつも以上に念入りに磨いて除去しないとさらに炎症を悪化させてしまうからです。

歯茎から出血したらどう対処すべき?

それでは、歯茎から出血した時はどうしたら良いのでしょうか。ここでは、歯茎の出血がある時に自宅でできる対策をお伝えします。

弱い力で細かく歯磨き

炎症による歯茎からの出血の原因は、磨き残した歯垢です。まずは歯ブラシで、新たな歯垢が残らないように磨くようにしましょう。磨く力は弱めを意識し、歯ブラシは小刻みに動かします。歯茎に歯ブラシが当たっても痛くない程度の力加減で、優しく念入りに磨くのがコツです。

フロスや歯間ブラシを使う

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の歯垢は取り除けません。そのため、デンタルフロスや歯間ブラシを用いる必要があります。歯茎に炎症がある時はもちろん、健康な状態であっても1日1回は使うようにしましょう。

偏った食事の改善

偏った食生活は身体にも影響を及ぼしますが、歯茎も同様です。十分な栄養が摂れていないと、免疫力が低下し、歯茎も歯周病などの病気にかかりやすくなります。

出血が続く時は歯医者での治療が必要

軽度の歯肉炎の状態であれば、1週間ほど上記の対策を続けていると出血が治まることも多くあります。しかし、もしまだ出血が見られるようであれば、一度歯科医院の受診をおすすめします。
なぜなら、歯磨きだけでは治らない場合もあるからです。例えば歯石がついていたり、歯周病が進行した「歯周炎」になっていたりする場合は、歯磨きだけでは改善しません。溜まった歯石を取り除く、歯周病の治療をするなど、適切な対応が必要になります。
ここでは、歯周病の治療の大まかな流れをご紹介します。

《歯周病治療の流れ》

  1. 1.歯周病の検査やレントゲン写真などにより、現在の歯周病の有無や状態を調べます
  2. 2.専門の機器を使い、歯石を取り除きます
  3. 3.自宅での歯磨きの方法、デンタルフロス・歯間ブラシの使い方などについて指導を受けます
  4. 4.歯茎の状態を再度検査しチェック。改善されない場合、または必要に応じて歯周ポケット内の歯石除去や歯周外科処置を行う
  5. 5.歯茎の状態が安定したら、メンテナンスに移行。定期的に通院し良い状態を保ちましょう

歯周病はこのような流れで治療しますが、一度治ったとしてもまた再発する病気です。再発予防のために、必ず定期的に歯科医院でメンテナンスを受けるようにしましょう。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周治療の流れ」

歯茎からの出血は放置しないようにしましょう

今回は、歯茎から出血する原因とその対処法についてご説明しました。歯茎から出血があった場合は、少量でも注意が必要だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もし歯茎からの出血に気が付いたら「そのうち治るから…」と軽く考えずに、早めに歯科医院で診てもらいましょう。

軽い歯肉炎の状態でも、繰り返していると少しずつ歯茎はダメージを受けていきます。ぜひ軽度のうちに、歯茎が炎症を起こさないようなセルフケアの仕方を、歯医者で教えてもらうことがおすすめです。
そして定期的にメンテナンスに通い、歯周病を予防してご自分の歯を長く残していきましょう。

記事を検索する