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歯周病はブラッシングで治せる?予防に効果的な歯磨き方法をご紹介

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歯周病の予防

歯周病はブラッシングで治せる?予防に効果的な歯磨き方法をご紹介

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歯周病はブラッシングで治せる?予防に効果的な歯磨き方法をご紹介

更新日:2023.01.26

歯周病の予防

歯周病の原因には色々なものがありますが、予防のためにブラッシングはとても大切です。ブラッシングは「歯垢(プラーク)を取り除くこと」を目的としており、ただ歯を磨いていれば良いのではありません。
この記事では、歯周病の予防に役立つブラッシング方法や歯科検診の役割について歯科衛生士の島田千歌がご紹介します。

歯周病は予防や治療が可能な病気

日本は「30歳以上の80%が歯周病」といわれるほど、歯周病罹患率の高い国です。また最近では子どもの歯肉炎(歯周病)も増えています。
歯周病は感染症で、お口の中に存在する歯周病菌が主な原因です。初期では「歯ぐきが腫れる・出血」が見られ、進行するにつれて症状が強くなります。この時に痛みなどの自覚症状がないため、ほとんどの人はある程度進行するまで気が付きません。

さらに進行すると「膿が出る・口臭がする・歯がぐらつく」という症状も出てきます。この時に歯を支えている顎の骨もなくなってしまうため、最終的に歯を支えきれなくなると「歯が抜け落ちてしまう」恐ろしい病気です。

そして歯周病でなくなった顎の骨や痩せた歯ぐきは、元に戻すことができません。
このようなことから「沈黙の病気」とも呼ばれており、気が付いた時には手遅れ…という場合も多いのです。

しかし歯周病は必ずしもなるものではなく、その多くは日頃の習慣やケアにより予防することが可能といわれています。正しいブラッシングと、定期的な歯科検診により歯周病になる前に予防することが大事です。万が一歯周病になってしまった場合は、できるだけ早く歯科医師の診断・治療を受けましょう。それ以上進行しないように、一刻も早く食い止めることが大切です。

出典:e-ヘルスネット「歯周病の予防と治療」

歯周病に効果的なブラッシング方法

ブラッシング方法は様々なものがあり、それぞれ目的が異なります。歯周病に効果的なブラッシング方法を、歯科医院で指導してもらった方もいるのではないでしょうか?ここでは、その基本的な方法と大切なポイントをご紹介します。

歯ぐきと歯の境目に45度になるように歯ブラシを当てる

歯垢が溜まりやすく、歯ブラシで落とさないと落ちない場所があります。その一つが歯と歯ぐきの境目です。
歯と歯ぐきの境目には「歯肉溝・歯周ポケット」という溝があり、この部分から歯周病は進みます。そのため意識して磨く必要があります。

歯ブラシの毛先は斜め45度になるように当て、歯2〜3本ほどの幅で優しく小刻みに動かしましょう。力加減は、歯ぐきに当たって気持ちいいくらいで十分です。マッサージをしているような気持ちで、1箇所20往復を目安に当てていきます。
また、きちんと当たっているかどうかを手鏡で確認しながら磨くと良いでしょう。

歯と歯の間にはデンタルフロスや歯間ブラシを活用する

フロス・歯間ブラシ

お口全体の汚れを100%とした時に、歯ブラシだけでは約60%ほどしか落せていないという話を聞いたことはありますか?実は歯と歯の間の歯垢は、歯ブラシだけでは落とせないのです。

そこで必要なのがデンタルフロスや歯間ブラシと呼ばれるものです。これらを上手に活用することで、全体の80%の歯垢を除去し、20%ほどまで磨き残しを減らせるといわれています。

これらを使う時のポイントは、まず「歯と歯の隙間の大きさに合う商品を選ぶ」ことです。合っていない商品は、磨き残しや歯ぐきを傷つける原因になります。歯科医院で自分に合ったものを選んでもらい、正しい使い方を教えてもらうと安心です。

磨き残しは歯科定期検診で除去する

いくら頑張ってブラッシングをしても、残念ながら100%磨き残しをなくすことは不可能です。
誰にでも磨き癖や歯ブラシの当たりにくい場所があります。お口の中は狭くて暗く、歯の並びや形も思っているより複雑だからです。

また磨き残した歯垢は、時間とともに徐々に硬くなってブラッシングでは取り除けなくなり、やがて歯石になります。
そこに歯周病菌が入り込んで歯周病を進行させる毒素を出し続けるのです。

歯科定期検診ではクリーニングやPMTCなどを行い、歯石や歯垢を取り除きます。
PMTCとは専用の機械を用いたプロによる清掃で、お口の中の細菌が作り出すバイオフィルムと呼ばれるバリアのような膜を破壊します。
毎日の自宅でのセルフケアと、定期的な歯科検診で歯周病のチェックやプロによるケアを受け、歯周病を予防しましょう。

出典:e-ヘルスネット「PMTC(歯石除去・歯面清掃)」

歯磨きと定期検診で歯周病を予防

今回は、歯周病予防に効果的なブラッシング方法についてご説明しました。「一生自分の歯で美味しいものを美味しく食べたい」と誰もが思うはずです。
歯を失う原因である歯周病を予防するためには、セルフケアはもちろん歯科定期検診も欠かせません。最低でも、6ヶ月に一度は歯科医院でのチェックとプロケアを受けるようにしましょう。

一人ひとりお口の状況や磨き残しやすい場所・磨き癖は異なるため、自分に合った歯周病予防のためのブラッシング方法も歯科医院で教えてもらうのが一番効果的ですよ!

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