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歯磨きができないときの口腔ケア。うがいや食事の際にできること

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歯磨きができないときの口腔ケア。うがいや食事の際にできること

うがいの準備

歯磨きができないときの口腔ケア。うがいや食事の際にできること

更新日:2023.06.04

歯磨き

外出先にいるとお昼に歯磨きをする機会は減りがちです。とくに、学校や職場では「周りがしていないから歯磨きがしづらい……」と思う人も多いでしょう。また、介護が必要な人やケガをしている人は、そもそも歯磨きができない場合もありますし、災害時は歯磨きどころではないかもしれません。
この記事では、外出先でできる歯磨きの代わりの口腔ケアや、うがいの注意点などを歯科衛生士の西がご紹介します。

歯磨きができない時の口腔ケアはどうすべき?

外出先で歯磨きができないときなど、代わりとなる口腔ケアはあるのでしょうか。以下で代表的な方法を5つほどご紹介します。

うがい

「歯磨きができない時はうがいをする」と意識している人は多いのではないでしょうか。うがいは水さえあれば可能で、外出先のお手洗いなどでも気軽に行えます。
実際に、うがいによって食べかすや歯に付着したプラークをある程度洗い流すことは可能だといわれており、「忙しくて、お昼休みに歯磨きできない」といった患者さまにうがいを推奨することもあります。

水を飲む

実は、水を飲むだけでも歯磨きの代用になります。うがいと同様、食べかすやプラークを流すことができるためです。うがいができないときは、水を飲んでお口の中をすっきりさせましょう。

指磨き

指磨きという言葉を初めて聞いた人もいるでしょう。指磨きは名前の通り、「指で歯を磨く方法」です。
歯ブラシがあればもちろん通常の歯磨きがベストですが、震災などで歯ブラシが手元にない場合は指磨きがおすすめです。

指磨きをする際は、指を綺麗に洗ってから行いましょう。直接指で磨くことに抵抗がある人は、指にティッシュを巻く、ビニール袋やサランラップを巻く、指歯ブラシ(※)の使用なども検討してみてください。

※指サックのようなものに毛がついたもの。介護時や歯磨きが難しいお子さまなどにおすすめです。

洗口液

うがい薬や洗口液を使用したうがいも効果があります。洗口液は口臭予防効果やお口の殺菌効果、歯ぐきの炎症予防効果などがあり、歯磨きの代用だけでなくお口の健康を守ることにつながります。
洗口液にはエタノールが含まれている場合が多いため、口内炎や粘膜疾患がある方は注意が必要です。

口腔ケアティッシュ

口腔ケアティッシュは介護現場や医療現場など幅広い場面で、歯磨きが難しい乳児や高齢者、障害のある方のために使われています。
ウェットティッシュのような商品で、ドラックストアなどでも販売されています。

キシリトールガム

歯の汚れを落とすことはできませんが、一時的にお口の中をすっきりさせたいときは良いでしょう。

歯磨きの代わりはうがいで十分?食事の際の注意点

歯磨きの代わりになる口腔ケアのなかでも、とくに効果的な方法はうがいではないかと思います。ただし、方法を間違えてしまうと効果が得られません。

うがいの際は、ガラガラうがいではなくブクブクうがいで、お水がお口全体に行き渡るように含みましょう。お水がない場合はお茶でも可能です。
また、時間は30秒程度行うことが良いとされています。洗口液が手元にある場合は使用する方が爽快感も得られるためおすすめです。

ここからは歯磨きができないときに、口腔ケアの質が高まる食事のポイントを解説します。

まず、歯磨きができない場合は、よく噛んで食べましょう。しっかり噛むことで唾液が出るため、プラークや汚れを流すことができます。

次に、味の濃い料理や粘り気の強いものは避けましょう。にんにくなど味の濃い料理や、おくらや納豆などの粘り気のある料理は、歯磨きができないときはなるべく避けた方が良いです。これらが長時間お口に残ることで、口臭の原因や舌に臭いが付きやすくなるためです。

最後に、食べ終わったらお水やお茶を飲むことを忘れないようにしましょう。食後はお水やお茶を飲み、お口の中をリセットすることがおすすめです。水分を摂取することで食べ物のカスやプラークを流すことができます。

ここまで、うがいや水分補給の有効性について説明してきましたが、もちろんこれだけでは歯の汚れを取り除くことはできません。歯の汚れを綺麗にするには、寝る前の歯磨きが最も大切です。

寝る前の歯磨きが重要

就寝中は唾液の量が減り、唾液で流されない細菌たちが増え続けるとされます。寝る前の歯磨きを忘れた場合、歯周病菌や虫歯菌が増加しお口の状態を悪化させます。
そのため、寝る前の歯磨きは特に時間をかけて丁寧に行うようにしましょう。

忙しくてどうしても歯磨きを忘れがちな人は、寝る前の炭酸飲料やジュース、お菓子など糖分が多く含まれている食事を控えるのがポイントです。歯磨きに時間がとれない時期は、定期的に歯科医院で検診を受けるなどしてプロに管理してもらうことも大切でしょう。

歯磨きができないときでもお口の健康を意識

忙しく歯磨きができない人や、震災などで歯磨きができない場面でもさまざまな方法で口腔ケアをすることは可能です。
うがいや指磨き、洗口液の使用などの方法があるので、正しいやり方で行いましょう。それ以外にも食事の際に食べ方を工夫することでもお口の健康を保つことができます。
ただし、大切なのは寝る前の歯磨きです。就寝前には丁寧に歯磨きを行い、お口の健康を守っていきましょう。

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