正しい歯磨きの順番がある?フロスは歯磨き前に使うべき理由とは
更新日:2023.06.28
歯磨きの際、デンタルフロスや歯間ブラシを使うタイミングはいつが正しいか気になる人も多いのではないでしょうか。
普段はなんとなく行っている歯磨きですが、実は磨く順番やフロスを使うタイミング次第で、ケアの効果が大きく変わります。
今回は歯磨きの順番やデンタルフロスの効果的な使い方について、歯科衛生士の島田千歌が解説します。
目次
正しい歯磨きの方法は?頻度やタイミングも
まず最初に、基本的な歯磨きの方法を確認しておきましょう。ここでは歯磨きする時の3つのポイントをご紹介します。
歯磨きの3つのポイント
日々の歯磨きは以下の3つのポイントを念頭に置いて行いましょう。
- 歯ブラシの毛先は歯と歯茎の境目、歯の間を意識して当てる
- 力加減は150~200gを目安に、優しい力で磨く
- 歯ブラシは歯2~3本の幅で、小刻みに動かす
そして歯ブラシを当てたら、1ヶ所につき20往復磨きましょう。歯垢をしっかり落とすためには、力は必要ありません。回数を重ねることで、より歯垢を落とすことができるのです。
おすすめの歯磨きタイミング
歯磨きの効果を得るためには、歯磨きの頻度やいつ磨くかというタイミングも大切になります。「1日3回、毎食後に磨く」という話はよく聞くのではないでしょうか。
一般的には、お口の中で菌が増えやすい時間を考慮すると「就寝前と起床後の1日2回」磨くのがおすすめです。就寝中は唾液の分泌が低下するため、お口の中に菌が繁殖しやすい環境になります。そのため、寝る前にはできるだけお口を綺麗にしておく必要があります。
起床後にも歯磨きをすることで、寝ている間に増えてしまった菌をリセットすることが可能です。できるだけ念入りに歯磨きをしましょう。
歯磨きでは磨く歯の順番を決めるのがおすすめ
磨く歯の順番について特に決まりはありませんが、自分なりの磨きやすい順番を決めておくと良いでしょう。おすすめは「一筆書きするように磨く」ことです。
例えば「右上→左上の奥歯の外側、左上→右上の奥歯の噛む面、右上→左上の奥歯の内側→下の歯へ」という流れで磨いていきます。
なぜこのように磨く順番を決める必要があるかというと、「磨き残しを少なくするため」です。なんとなく磨いている時など、どこを磨いたのか忘れる経験がある人もいるのではないでしょうか。
また誰でも磨き癖というものがあるため、どうしても磨く歯が偏りがちです。磨きにくいところのケアが疎かになり、そういう部分ほど虫歯や歯周病になってしまいます。このようなリスクを避けるために、どこからどの順番で磨くかしっかり決めることが大切なのです。
フロス・歯間ブラシは歯磨き前に使う
個人差はありますが、デンタルフロスや歯間ブラシを歯ブラシと併用することは、虫歯・歯周病対策においてほぼ必須といえるでしょう。
患者様とお話していると「歯磨きはしているけど、フロスは面倒で使えていない」「歯茎を傷つけてしまいそう」「歯と歯の隙間が大きくなってしまいそう」などの理由で、お使いでない方も多くいらっしゃるように感じます。
なぜ必要?デンタルフロス(歯間ブラシ)の効果とは
歯ブラシのみで、十分に歯垢を取り除けるかというと答えはNOです。
お口全体の汚れを100%とした場合、歯ブラシのみで取り除けるのは約60%といわれています。なぜなら、歯ブラシの毛先は歯と歯の間まで届ききらないからです。
そこでデンタルフロスや歯間ブラシの出番になります。歯ブラシにプラスして使用することで、お口の汚れを約80%まで取り除けるようになるといわれます。
歯と歯の間の掃除ができるデンタルフロスや歯間ブラシは、お口の健康を保つために欠かせないグッズです。ぜひ正しい使い方を身に付けて、毎日の歯磨きにプラスしてくださいね。
「フロス→歯磨き」という順番にすべき理由
フロスを使う順番についても、患者様からご質問をいただくことがあります。
その答えは「歯磨きの前に使う」ですが、歯磨きの前に使う場合と後に使った場合では、違いがあるのでしょうか。
米国歯周病学会誌で報告された研究結果によると、「歯磨きの前に行うことが最も効果的に歯垢を除去する理想的な順序である」とされています。
また、歯ブラシ以外に使うのが面倒という方には、特に先に使うことをおすすめします。先に歯磨きをすると爽快感から、そこで終わってしまいがちになるからです。ぜひ「歯磨きの前に」使うようにしてみてください。
効率的な歯磨きでお口の健康を保ちましょう
今回は、歯磨きの順番やデンタルフロス、歯間ブラシの必要性についてお話しました。今まで何気なく歯磨きをしていた方は順番を決めて行うだけで、磨き残しが少なくなります。
そして、デンタルフロスや歯間ブラシを活用していなかった方や、歯磨きの後に使っていた方は、歯磨き前に使うようにするだけで歯垢除去率が高まります。
今までやっていなかった方は、ぜひこの機会に日々の歯磨きを改善し、効率良くお口の健康を保っていきましょう。