虫歯予防にガムは効果あり?おすすめのトクホ3選やガムの噛み方と選び方
更新日:2023.08.30
習慣的にガムを噛むと虫歯予防になるといわれることがあります。はたして本当に、ガムには虫歯予防の効果があるのでしょうか。
結論からいうと、ガムを噛むことには虫歯予防の効果が見込めます。ただし、商品の選び方や噛むタイミングを間違うと逆効果にもなりうるので注意が必要です。
今回はガムの虫歯予防効果について解説し、管理栄養士の石松がおすすめする特定保健用食品(トクホ)を3つご紹介します。
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目次
ガムの成分で虫歯予防が期待できるもの
ガムが虫歯予防につながる理由に含まれている成分が挙げられます。まずは、虫歯予防の効果が期待できるキシリトールとリカルデントについて解説します。
キシリトール
キシリトールは多くの果物や野菜の中に含まれている天然甘味料で、糖アルコールの一種です。虫歯の原因となる砂糖の代替品として、ガムやタブレットなどに用いられています。
糖アルコールには唾液分泌と再石灰化を促す作用があります。唾液量が増えることで口腔内の乾燥を防ぎ、虫歯菌が増殖しにくい環境を作るとともに、再石灰化を促して歯を丈夫にするのです。
またキシリトール以外の糖アルコールは口内細菌によって少量の酸が生じるので、歯の表面を溶かす原因となります。一方のキシリトールは口内細菌が利用できないため、酸が産生されません。逆に虫歯菌のエネルギーを消耗させることで、その増殖を抑える作用もあります。
キシリトールの虫歯予防効果は世界保健機関(WHO)や 国連食糧農業機関(FAO)でも認められています。
リカルデント
乳タンパク質由来のリカルデントは、ほぼ無味無臭の天然成分です。脱灰(だっかい:歯のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出ること)を防ぎ、初期虫歯の発生を抑えます。ガムやタブレット、歯磨きペーストなどに広く使用されている成分です。
このほか、唾液中のミネラル成分を増やすことで歯の再石灰化を促したり、口腔内を中性に保つことで歯を酸で溶けにくくしたりする作用があります。
虫歯予防に役立つのはどんなガム?
キシリトールなどの成分は虫歯予防にも役立ちますが、ガムに砂糖が含まれる場合は虫歯を悪化させる場合もあり、正しく商品を選ぶことが必要です。
商品の選び方
ガムに含まれるキシリトールの量は商品によってさまざまです。歯科専用のキシリトール100%のガムもありますが、一方で年々高価になっているキシリトールの量を減らして砂糖で甘味を補っている商品もあります。
砂糖は虫歯菌のエサとなり、虫歯を悪化させてしまうものです。そのため、虫歯予防を目的にガムを選ぶときは、キシリトールが50%以上含まれているもので、砂糖が配合されていない商品を選びましょう。
ガムの噛み方
ガムは噛むタイミングも重要です。食後すぐにキシリトール配合のガムを噛むことで虫歯予防効果を高めることができます。キシリトールには、虫歯菌が食べかすをエサにして酸を作り出すのを防ぐ働きがあるのです。
また、ガムを歯磨きの前に噛むことで歯垢を落としやすくする働きもあります。とくに噛み始めのガムからはキシリトール成分が多く出るため、その唾液を口の中に留めることで、歯磨きの効果を高めることができるのです。
唾液が減り口の中が乾燥しやすくなるドライマウスは虫歯の原因の1つとされています。ガムを噛むことで唾液の分泌を増やせるため、ドライマウスを抑えることも期待できるでしょう。
おすすめしたいトクホのガム3選
トクホ(特定保健用食品)とは、有効性、安全性などの科学的根拠を示して、国の審査のもとに消費者庁の許可を受けた食品のことです。ここではトクホのガムを3つご紹介します。
キシリトールガム<ライムミント>
キシリトールを使用した「虫歯予防を目的とした」ガムです。1回に2粒を5分間、1日あたり7回を目安に噛むことで、歯の再石灰化を促しお口の中を健康に保つことができるでしょう。
出典:国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報 キシリトールガム<ライムミント>」
リカルデント<グレープミントガム>
リカルデントを使用した「初期虫歯を抑制する」ガムです。リカルデントは脱灰を抑えて初期虫歯を防ぐほか、歯を酸に強くする効果があります。1回に2粒を20分間、1日あたり4回を目安に噛むのがおすすめです。
出典:国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報 リカルデント グレープミントガム」
ポスカ<クリアミント>
リン酸化オリゴ糖カルシウムを使用した再結晶化を促進するガムです。歯に浸透しやすいカルシウム成分が初期虫歯になりそうな部分を再結晶化し、丈夫で健康な歯に保ちます。適切な利用法は1回に2粒を20分、1日あたり3回を目安に噛むこととされます。
出典:国立健康・栄養研究所「健康食品の安全性・有効性情報 ポスカ<クリアミント>」
ガムは種類や噛み方を工夫すれば虫歯効果がある
ガムは正しく選び、毎食後噛むことで虫歯予防の効果を発揮します。ただし虫歯予防の基本は、ガムを噛むことではなく、食後の歯磨きや定期的な歯科検診です。またドライマウスを防ぐためのこまめな水分補給も重要になります。このような基本的な口腔ケアが健康的な口内環境を保ち、いつまでもおいしく食べることをサポートしてくれるはずです。
記事を読んでみて心当たりが多かった人もいたのではないでしょうか。口臭や歯周病は歯医者の定期的な受診で改善できるといわれています。
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