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初期の虫歯に痛みはある?虫歯を削らずに済ませたい・・・早期発見が鍵

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虫歯予防

初期の虫歯に痛みはある?虫歯を削らずに済ませたい・・・早期発見が鍵

初期の虫歯に痛みはある?虫歯を削らずに済ませたい・・・早期発見が鍵

更新日:2023.03.11

虫歯予防

皆さんは「初期虫歯」という言葉をお聞きになったことはありますでしょうか?
虫歯という言葉がつきますが、初期虫歯の段階で発見できれば、歯を削らずに済むかもしれません。この記事では、できるだけ歯を削らずに済むよう、知っておいていただきたい「初期虫歯」やその治療法について、歯科衛生士の島田千歌が解説していきます。

初期の虫歯は痛みを感じないこともある

初期の虫歯にはわかりやすい症状がなく、痛みも感じにくいため、自分では気が付けないことが多くあります。そもそも初期の虫歯とはどのようなものなのでしょうか?

虫歯の進行度を示すものに「CO→C1→C2→C3→C4」というものがあります。
このうち、COと C1が初期の虫歯に当たります。C2は象牙質と呼ばれるしみる症状が出る虫歯で、C3は歯の神経まで進行した虫歯です。C4になると、ほとんど歯の頭の部分がなくなるほどに進んでしまった状態になります。

参考:虫歯の進行度を表す「C」の意味

​​初期の虫歯の「CO」は、まだ歯に穴の開いていない虫歯で「初期虫歯」と呼ばれています。
「C1」は、既に穴が開き始めてしまった小さい虫歯を指しています。それぞれの特徴は次のようなものです。

CO

ごく初期の虫歯で「初期虫歯」とも呼ばれます。歯の表面にあるエナメル質が溶け始め、白く濁ったように見える状態です。まだ歯に穴は空いておらず、痛みなどの自覚症状はほぼありません。
そのため、自分では気がつかないことがほとんどです。また、この段階では適切な対策をすることで、それ以上進ませることなく、元の状態に戻すことができる可能性があります。

C1

虫歯菌の出す酸によりエナメル質が溶かされて、小さな穴が開いた状態の虫歯です。
黒い点や小さな穴が見えたり、奥歯の溝に黒い線が入ったように見えたりします。こちらは既に穴が空いてしまった状態のため、COのように治ることはありません。
​​一般的には痛みを感じるほどではない虫歯ですが、敏感な方や虫歯の大きさによっては、冷たいものがしみる症状を感じたりすることもあります。

初期の虫歯を治すには何をする?

初期の虫歯になってしまった場合は、どのような治療を行うのでしょうか。
ここでは「CO」「C1」それぞれの場合について、ご説明していきます。

初期虫歯(CO)の治療

基本的には、治療というよりも「再石灰化を促す処置」を行います。再石灰化とは、酸によって溶け出してしまった歯が修復される現象のことです。
​​この段階ではなるべく歯垢をためないようにしっかり歯磨きしたり、積極的にフッ素の活用などをすることで、溶け出したエナメル質が補填するのを促すことができます。
穴が空く一歩手前の状態ですから、できればこの段階で見つけておきたいですね。

小さい初期の虫歯(C1)の治療

もし治療が必要な場合は、プラスチックを詰めるなどの1回で終わる治療がほとんどです。
しかし、まだ虫歯の大きさが小さいため、削って治療を行わずに定期検診で様子を見る場合が多いと思われます。
今以上進まないように、念入りな歯磨きはもちろん、デンタルフロスなどで歯と歯の間も綺麗にしましょう。また、フッ素を活用するのも効果的です。

PMTCやシーラントも有効

CO、 C1どちらの場合でも、歯の清掃と歯石除去(PMTC)は有効です。
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・クリーニングの略で、専門の機械とペーストを用いて行う処置のことを言います。

この処置を受けることで、歯ブラシでは取れない「バイオフィルム」という強固な膜ごと虫歯菌などの塊を除去し、お口の環境を虫歯になりにくいように整えることができるのです。
また、再石灰化を促すために、歯と同じハイドロキシアパタイトという成分が配合されたペーストを用いて行う歯科医院もあります。

「シーラント」は、予防的に奥歯にある溝をプラスチックで埋め、歯垢などがたまりにくいようにする処置です。
主に生えたての奥歯に行うことが多い処置ですが、溝を埋めるために使う材料にフッ素が含まれているため、ごく初期の虫歯に対しても行われることがあります。

歯科メンテナンスについては下記の記事でも詳しく解説しています。

痛みのない初期の虫歯は早期発見が大事

ここまでお話してきたように、初期の虫歯は痛みを感じられないため、自分で気がつくことができません。初期の虫歯は白っぽかったり、黒い点や線状に見えたりしますが、お口の中は暗くて狭いため、しっかり確認することはなかなか難しいでしょう。

そして虫歯で痛みが出てくる頃というのは、もう既に虫歯がある程度進んでしまった段階で、進行を抑えるために削って治療をしなければなりません。歯は削れば削るほど、寿命も短くなってしまいます。
治療によるご自身や費用面での負担を避けるためだけではなく、ご自分の歯を長く使っていくためにも、初期の虫歯はできるだけ早く見つけることが大事だといえるでしょう。

定期的なメンテナンスで虫歯を防ぎましょう

今回は、初期の虫歯や治療法についてご説明しました。なぜ、何も症状がないうちに定期的に通院することを勧められるのか、その理由がお分かりいただけたのではないかと思います。
初期虫歯は症状がないからこそ、歯科医院で見つけてもらう必要があります。知らぬ間に虫歯になっていて、気がついた時にはかなり進行してしまっていた…ということがないよう、定期的にメンテナンスに通うのがおすすめです!

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