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効率良く虫歯を予防したい方はフッ素による予防歯科がおすすめな理由

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効率良く虫歯を予防したい方はフッ素による予防歯科がおすすめな理由

歯磨きとフッ素

効率良く虫歯を予防したい方はフッ素による予防歯科がおすすめな理由

更新日:2023.03.09

予防のための歯医者

フッ素という成分は虫歯から歯を守るために欠かせないものであり、最近では歯磨き粉に含まれているケースも珍しくありません。しかし、どのような効果が得られるのかを詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
今回は歯科衛生士のNYUiiiが虫歯予防にフッ素が適している理由を分かりやすくご紹介します。虫歯になりやすい方やお子様の虫歯を防ぎたい方は参考にしましょう。

フッ素とは?虫歯を予防できる理由

フッ素とは、エナメル質の自然修復(再石灰化)を促したり、歯の質を強化させたりする働きを持つ成分です。歯医者では虫歯予防として「フッ素塗布」が小児歯科を中心におこなわれています。
なぜ、フッ素が虫歯予防に役立つのか、その理由についてもう少し詳しくみていきましょう。

エナメル質の修復を促進

歯に付着した汚れ(歯垢・プラーク)には虫歯菌が潜んでおり、糖分をエネルギーに酸を出します。その結果、歯の表面の組織であるエナメル質からリンやカルシウムが溶け出し、虫歯の初期をあらわす「脱灰」がおこります。
フッ素には溶け出したリンやカルシウムを再びエナメル質に戻して修復する「再石灰化」を促進する働きがあります。再石灰化の働きが強ければ、虫歯の進行を防ぐことが可能です。

歯の質を強化

歯の質には個人差があり、同じお手入れをしていても虫歯になる人とそうでない人がいます。また、乳歯は永久歯にくらべて歯の質が柔らかいため虫歯の進行が早く、いつの間にか神経まで感染しているというケースも少なくありません。
フッ素にはエナメル質を酸に溶けにくい性質に変化させる働きがあります。歯の質の弱い方に最適な予防法といえるでしょう。

菌の働きを弱める

菌が活発化していない間は、虫歯のリスクはそこまで高くはありません。
フッ素には菌の働きを弱める働きがあるため、継続して使用することで虫歯のなりにくい環境を維持することが可能です。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「フッ化物利用(概論)」

虫歯予防のためにフッ素はどう活用すべき?

フッ素は、使用回数を重ねればそれだけ効果を発揮することが分かっています。
虫歯になりやすい方や虫歯を防ぎたい方は、ぜひ普段のお手入れにフッ素を取り入れてみましょう。
おすすめの活用方法は以下のとおりです。

フッ素入り歯磨き粉を使う

最も取り入れやすい方法です。最近ではほとんどの歯磨き粉にフッ素が配合されるようになりました。それだけフッ素の働きが認められている証拠でもあります。

年齢にあわせて使用する量を調節

フッ素は年齢によって適量が異なります。歯ブラシにつける歯磨き粉の量は、歯が少ない0〜2歳は1〜3㎜程度、3〜5歳は5mm程度、6〜14歳は1cm程度を目安にしましょう。

歯磨きの後のうがいは1回で済ませる

フッ素はお口の中に停滞することで効果を発揮します。せっかくフッ素入りの歯磨き粉を使用したのに、うがいで完全に流しきってしまっては意味がありません。歯磨きの後のうがいは1回で済ませるようにしましょう。
泡立ちやすい歯磨き粉を使用している場合は、うがいの前にお口の中の泡を一度吐き出して、その後にうがいをすると1回でも十分スッキリできます。

歯磨き粉は飲み込まない

多くの実験により、歯磨き粉に含まれている程度の量は体内に入っても問題はないとされていますが、安全を考慮して歯磨き粉は飲み込まないことをおすすめしています。
お子様の場合は、一人すすぎができるようになってから使用しましょう。

フッ素洗口液で口をすすぐ

フッ素洗口液は使用後のうがいが必要ないため、効果を十分に感じられます。就寝中は唾液の分泌量が減って菌が活発化しやすいことから、寝る直前の使用がおすすめです。
歯磨き粉同様、飲み込まないように注意して使いましょう。

事前の歯磨きは必要

洗口液には歯の表面に付着した汚れを除去する力はありません。そのため、事前の歯磨きは必要です。
最後の仕上げとしてフッ素洗口液を使うようにしましょう。適切な量は商品によって異なります。

歯医者でのフッ素塗布がおすすめ

歯医者では歯磨き粉や洗口剤よりも濃度の高いフッ素を取り扱っています。

フッ素塗布の方法

歯科医師または歯科衛生士が、歯ブラシや脱脂綿を使って歯の表面に塗布します。少し酸っぱい味がしますが、痛みはありません。
処置後はお口の中の唾液を吐きだして、20分〜30分程度うがいを控えていただきます。

予防効果

1回の処置では十分な効果を得ることはできません。年2回以上継続して受ける必要があります。
乳幼児の場合、定期検診でフッ素塗布をして虫歯を半分程度に抑えられたという検査結果もありますので、積極的に受けるのがおすすめです。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「フッ化物歯面塗布」

フッ素を活用して虫歯のないお口を目指そう

フッ素には虫歯菌から歯を守るための力が備わっており、定期的に使用することでより効果が発揮されます。歯の質が弱い方やお子様がいるご家庭は、フッ素入りの歯磨き粉や洗口剤を毎日のお手入れに取り入れましょう。
徹底して予防をするには、歯医者での定期検診も大切です。フッ素塗布は大人でも受けられますので、家族全員で習慣化することをおすすめします。

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