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【新生活習慣】唾液が多いと虫歯予防になる?分泌量を増やす4の習慣

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虫歯予防

【新生活習慣】唾液が多いと虫歯予防になる?分泌量を増やす4の習慣

【新生活習慣】唾液が多いと虫歯予防になる?分泌量を増やす4の習慣

更新日:2023.01.21

虫歯予防

私たちは無意識のうちに「唾液が出たら飲み込んで…」という動作を繰り返しています。その唾液ですが、実は虫歯予防に効果があるという話はご存じでしょうか?
唾液は、私達のお口を良好に保つために沢山の役割をしてくれている大切な存在なのです。この記事では、唾液の分泌量を増やす生活習慣について歯科衛生士の島田千歌がご紹介します。

虫歯ができるのはどうして?

虫歯ができる理由を考える女性
そもそもなぜ虫歯はできるのでしょうか?
虫歯は、虫歯菌が食べ物などの中の糖分を取り込んで作り出す「酸」によって「歯が溶かされ、穴があく」ことで起こります。
食べ物を食べたり飲んだりすると、この作用により歯の表面が溶かされる「脱灰」という状態になります。この時点ではまだ虫歯ではありません。
しかし、この状態が続くとやがて歯に穴があいてしまいます。それが「虫歯」です。

出典:e-ヘルスネット「むし歯の特徴・原因・進行」

唾液で虫歯予防!唾液が持つ働きとは?

「唾液が多いと虫歯になりにくい」と言われる理由は何でしょうか。
ここでは唾液にはどのような働きがあるのか、虫歯予防に役立つ理由も含めて具体的にご説明します。

緩衝作用

「だらだら食いは良くない」という話を聞いたことはありますか。
通常、お口の中は中性を保っていますが、食べ物を食べると酸性に傾きます。歯が溶かされて虫歯になりやすい状況です。唾液には「緩衝作用」と呼ばれる働きがあり、この酸性に傾いたお口を中性に戻す役割もしてくれています。そしてこの間に必要と言われている時間は、20分ほどです。
時間を開けずにだらだら食べていると、この作用の働く時間がなくなり、ずっと酸性の状態が続いてしまいます。そのため、虫歯になりやすくなってしまうのです。

再石灰化作用

唾液には、酸によって溶かされた歯の表面の修復を助ける作用があります。これを「再石灰化作用」と言います。
溶かされた部分にカルシウムやリン酸を補給して、再石灰化を促すことにより、虫歯になることを防いでいるのです。

自浄作用

虫歯の原因となる虫歯菌は、食べかすや歯垢が原因で増殖します。唾液には、食べかすや歯垢がお口の中に留まりにくいように洗い流す役目もあります。それにより常にお口の中が洗浄され、虫歯菌が増えるのを防いでいるのです。

抗菌作用

お口の中には虫歯菌や歯周病菌をはじめ、たくさんの菌が存在しています。また、外部からのウイルスや細菌が進入してくる場所でもあります。
唾液にはリゾチームという酵素やラクトフェリンという糖タンパクなど「抗菌作用」のある物質が含まれており、これらが細菌の増殖を抑える役目もしているのです。

唾液が少ないと虫歯に。分泌量を増やすには?

青リンゴをよく噛んで食べる女性
唾液の量が少ないと、お口の中に菌や食べかす・歯垢が留まりやすく、虫歯になりやすい環境になってしまいます。
年齢を重ねるごとに唾液の分泌量は減少しますし、口の渇きや鼻炎などで口呼吸の人、病気や服用している薬の影響で唾液が出にくくなっている人は特に注意が必要です。
唾液の分泌量を増やすには、次のような方法があります。

よく噛んで食べる

よく噛んで食べることで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促されます。さらに、食べ物に含まれる味物質が唾液の中に溶け込むため、より美味しく食べられるというメリットもあります。
また、食後にキシリトールガムを噛むこともおすすめです。

適度な水分補給

体全体の水分量が不足していると、唾液が減少しお口も渇きやすくなります。水分は体の健康のためにも欠かせません。普段からこまめな水分補給を心がけましょう。

ストレスを避ける

ストレスを感じると交感神経が優位になり、唾液の分泌が抑制されてしまいます。緊張した時に口の渇きを感じたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
反対に、リラックスしている副交感神経が優位な時は、唾液が分泌されやすくなります。上手にストレスコントロールをして、なるべくストレスを溜めないようにしましょう。

鼻呼吸を意識する

近年子どもに増えているという「お口ポカン」をご存知でしょうか。これはいつも口があいていて、口で呼吸をしている状態です。他にも鼻炎があるなど、口呼吸になりやすい方もいらっしゃるでしょう。
口呼吸はお口の中が渇く原因になるため、唾液が不足して虫歯などのリスクも高まります。「口が乾いているな」と感じた際には、なるべく鼻で呼吸をするよう意識しましょう。

唾液分泌を促して虫歯を防ぎましょう

今回は唾液についてお話してきました。当たり前のようにある唾液ですが、実は大切な役割を多く担っていることをお分かりいただけたのではないでしょうか。
虫歯予防というとまず「歯磨き」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、虫歯はさまざまな原因が重なってできるものです。そのため、歯磨きだけ一生懸命頑張っていても虫歯ができてしまうこともあります。

以下の記事では虫歯になりやすい人の特徴を解説しています。

唾液には歯の再石灰化を助ける・虫歯菌の増殖を抑えるなど、虫歯予防に効果的な機能があります。ぜひ今日から唾液も上手に利用して、より虫歯を防げるようにしていきましょう。

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