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予防歯科の3DSは効果がない?虫歯予防の効果や治療の流れを紹介

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予防歯科の3DSは効果がない?虫歯予防の効果や治療の流れを紹介

マウスピースのイメージ

予防歯科の3DSは効果がない?虫歯予防の効果や治療の流れを紹介

更新日:2023.09.28

予防のための歯医者

近年、虫歯や歯周病予防に効果のある最新の予防法「3DS」が注目されています。虫歯リスクの大きさは一人ひとり異なり、丁寧なお手入れを心がけていても虫歯や歯周病になる方はいます。3DSはそのようなリスクが高めの方におすすめの予防法です。
今回は歯科衛生士のNYUiiiが3DSの効果や治療の流れについて分かりやすくご紹介します。

虫歯や歯周病予防のための3DSとは?

3DSは、2000年に国立感染症研究所の花田信弘教授(現鶴見大学)によって開発された「虫歯や歯周病の原因菌の除菌ができる最新の予防方法」です。

歯の質や唾液の力が弱くて虫歯や歯周病のリスクが高い方や、今後矯正治療やインプラント治療を考えている方、母子感染をできるだけ防ぎたい方などにおすすめです。

リスクが高い方や忙しい方に最適な予防法

専用の薬剤を使って約5分で除菌できる3DSは、リスクが高い方だけでなく仕事や家事で忙しい方や、お子様にも受けていただきやすい予防法です。

薬剤をつけたマウスピースをはめるだけですので、無理なく行えます。

増えてしまった細菌数を3DSで除去

もともと歯の質や唾液の力が弱い方だけでなく、幼い頃に虫歯だらけだった場合も細菌数は多い傾向にあります。永久歯に生え変わったからといって細菌数が下がるわけではありません。特に30代以上になると虫歯だけでなく歯周病のリスクも大幅に上がるため、注意が必要です。

保健指導に3DSを導入したところ、歯周病の改善や虫歯の原因となるミュータンス菌が減少したという実験結果もあり、お口の健康維持に効果が見込まれています。

出典:口腔衛生会誌「Dental Drug Delivery System を導入した保健指導プロトコルの有効性を検討する」

すべての歯科医院で受けられるわけではない

3DSは最新の予防方法であるため、導入されている歯科医院が限られています。気になる方は事前に歯科医院へ確認するといいでしょう。

3DSは保険適用外ですので、歯科医院によって費用が異なります。

3DSは歯医者で実施!クリーニングと一緒にすれば効果的

歯医者での歯石除去

3DSを行う際は、抗菌剤と殺菌消毒薬を専用のマウスピースに注入して、その後お口のなかに装着します。初めての方でも簡単に受けられる点がメリットです。

また原因菌の除菌効果や歯垢の定着をおさえる効果も期待できるでしょう。

歯科医院では3DSの効果を十分に得るために、事前にクリーニングを行います。主な手順は以下のとおりです。

カウンセリング+唾液検査

はじめに3DSの説明をします。その後、お口のなかをチェックし、唾液検査をします。(唾液検査では細菌数が確認できます)

3DSのことで気になることや分からないことがあれば、カウンセリングの時点で相談してみましょう。

クリーニング(PMTC)

3DSによる治療が必要だと判断した場合は、効果を十分に得るための事前クリーニングを行います。歯の表面に付着した歯石や着色、バイオフィルム(細菌が集まってできた薄い透明の膜)を徹底的に除去します。

※バイオフィルがあると薬剤がうまく浸透しません。

マウスピースの製作

3DSで使用するマウスピースを作るために型取りをします。マウスピースができあがるまでに1週間ほどお時間をいただく場合があります。

歯科医院によって「クリーニング」と「マウスピースの製作」の順番が異なることがありますので、気になる方は事前に確認しましょう。

3DS除菌治療

できあがったマウスピースをお口のなかで合わせて、装着具合を確認します。強くあたって痛いところがなければ、専用の薬剤を注入して約5分間装着していただきます。

装着中は移動できませんので、お手洗いなどは事前に済ませておきましょう。

ホームケア

ご自宅でも3DSを使って治療を続けていただきます。

就寝前のお手入れを丁寧に行い、ホームケア用の3DSを使って約5分装着します。(7~10日継続)

トラブルなどがあれば速やかに歯科医院へ連絡しましょう。

再クリーニング+3DS除菌治療

再度クリーニングをして、3DSで除菌治療を実施します。

再唾液検査

状態が改善しているかを調べるために、2ヶ月ほど間隔をあけて再度唾液検査を実施します。はじめの検査結果と比較し、どのくらい改善されたかを確認します。

歯医者の3DSの効果がない人もいる

3DSはすべての方に効果がみられるものではありません。以下にあてはまる場合は、効果が十分に得られない可能性があります。

  • 重度の歯周病で歯のグラつきが激しい方
  • 虫歯の数が多く、長い間放置している方
  • 毎日のブラッシングが不十分な方
  • 喫煙習慣があり、1日あたりの本数が多い方
  • 重度の糖尿病に罹患している方

最新の予防法「3DS」で予防を強化しましょう

どんなにお手入れを丁寧に行っていても、虫歯や歯周病になる方はいます。

まずは唾液検査でご自身のお口がどのような状態なのかを知ることからはじめてみましょう。必要であれば3DSによって予防歯科を強化することをおすすめします。

3DSはお子様でも安心して受けていただけますので、ご家族全員で受診するもの良いでしょう。

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