虫歯予防に役立つ食べ物はこれ!歯に優しい栄養素とおすすめレシピの紹介
更新日:2023.04.24
近年、噛み合わせを重視するアスリートが増えています。虫歯や歯周病などで噛み合わせに不具合があると、体のバランスやフォームが崩れ、パフォーマンスを最大限に発揮できないからです。
アスリートたちも注目する虫歯予防について、ここでは管理栄養士の石松が、虫歯の予防に効果的な食べ物を紹介します。
目次
虫歯の予防効果が期待できる食べ物
虫歯予防に役立つ栄養素はカルシウム、タンパク質、ビタミンA・C・Dなどです。それぞれの栄養素が虫歯予防に働く理由と、それらが多く含まれている食品について解説します。
カルシウム
歯の大部分を占めるのがカルシウムです。歯の表面にあるエナメル質の再石灰化(溶けたエナメル質を修復する働き)には、カルシウムが欠かせません。
多く含む食品:乳製品、小魚、大豆製品、海藻類、ゴマ、青菜
タンパク質
歯の土台である象牙質の材料です。またタンパク質はビタミンCとともに、歯周病で壊れたコラーゲン線維を再生し、歯茎を健康に保ちます。
多く含む食品:魚、肉、卵、大豆製品、乳製品
ビタミンA
歯の表面を覆うエナメル質を強くするものです。なお、植物中のβカロテンは、プロビタミンAと呼ばれ、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。
多く含む食品:レバー、卵、ウナギ、ニンジン、カボチャ
ビタミンC
タンパク質とともに歯の土台である象牙質の材料です。また歯周病予防にも高い効果を発揮します。
多く含む食品:カブ、ジャガイモ、ブロッコリー、ピーマン、キャベツ、柑橘類
ビタミンD
カルシウムと一緒に摂ることで、腸管からのカルシウム吸収を促します。
多く含む食品:魚、卵、干しシイタケ、キクラゲ
歯に必要な栄養素はカルシウムというイメージが強いですが、実際は複数の栄養素が相互作用しながら働いているのです。
虫歯予防が期待できる食べ物の条件は、これらの栄養素を満たしつつ、虫歯菌の大好物である砂糖をなるべく使わないことが重要です。
レシピを紹介!歯に優しい食事
一つの食品だけで、前述した全ての栄養素を満たすのは難しいでしょう。
しかし、いくつかの食品を組み合わせた料理であれば、お互いの不足分を補い合うことができるのです。以下で、虫歯予防が期待できる食べ物の条件を満たした”歯に優しいレシピ”3品を紹介します。
しらすとズッキーニのトースト
材料(1人分):食パン 1枚、しらす 大さじ2杯、ズッキー二 1/4本、オリーブオイル小さじ1、塩 ひとつまみ 、胡椒 少々
作り方:ズッキーニをピーラーでリボン状にスライスし、オリーブオイル、塩、胡椒で和える。焼いた食パンの上に、ズッキーニとしらすをトッピングする。
ポイント:しらすはカルシウム、タンパク質、ビタミンDを一度に摂取できる貴重な食品です。魚類は一般的にビタミンDとタンパク質が多く含まれていますが、骨ごと食べられる小魚は貴重なカルシウム源でもあります。また、ズッキーニはβカロテンやビタミンCを多く含む食品です。
落とし卵とニラの味噌汁
材料(1人分):ニラ1/4束、卵1個、だし150ml、味噌大さじ1
作り方:5cmに切ったニラをだしで煮る。鍋に卵を落とし、フタをして5分ほど火を通し、味噌を溶かし入れる。
ポイント:食物繊維とビタミンC以外すべての栄養素をもつ卵に、ニラを組み合わせることで、不足する栄養素も補えます。中でも卵はビタミンDを、ニラはβカロテン、ビタミンCを多く含む食品です。
サーモンの彩りサラダ
材料(1人分):緑黄色野菜(ブロッコリー、菜の花、ケールなど) 両手1杯分、サーモン 3切、ドレッシング 適量
作り方:緑黄色野菜を食べやすく切る(ブロッコリーや菜の花は一口大にカットして色よく塩茹でにする。ケールは硬いので千切りにすると食べやすい)。野菜の水気をしっかり切って、サーモンと器に盛り付けてドレッシングをかける。
ポイント:ドレッシングはノンオイルでないものを選びましょう。緑黄色野菜に豊富なβカロテンは、油と摂ることで吸収率を高めることができるのです。
また、ビタミンDやタンパク質が豊富なサーモンですが、カルシウムやビタミンCの含有量はそこまで多くありません。ブロッコリー、菜の花、ケール、小松菜、キャベツなどからカルシウム、βカロテン、ビタミンCを補いましょう。
虫歯リスクを高める食べ物
ここまで、虫歯予防の効果が期待できる食べ物について解説してきました。一方で虫歯リスクを高める食べ物もあるので、以下で紹介します。
砂糖の多い食べ物
虫歯菌の大好物である砂糖は、酸を作り出して歯を溶かします。そのため、砂糖の多い食べ物は虫歯リスクを高めてしまうのです。
粘着性の高い食べ物
キャラメル、チョコレート、スナック菓子のように歯にへばりつきやすい食べ物は口腔内に残りやすく、歯垢がたまる原因になってしまいます。歯垢の中には多数の虫歯菌が存在しており、虫歯を進行させてしまうでしょう。
あまり噛まない食べ物
やわらかいものばかり食べていると、咀嚼回数が少なくなり、唾液の分泌量を低下させます。
口腔内が乾いていると、菌が繁殖しやすく、虫歯の原因となるでしょう。程よい硬さのあるナッツ類、ごぼう、れんこん、キノコ、海藻類などは、自然と咀嚼回数を増やしてくれます。
虫歯予防は食べ物ではなく歯磨きを意識
虫歯予防が期待できる食べ物と虫歯リスクを高める食べ物を紹介しました。日々の生活に取り入れやすいものから実践してみてはいかがでしょうか。
ただし、これらを食べていたら虫歯にならないというわけではありません。
虫歯予防にとって最も重要なのは、何かを食べる、食べないよりも”食べた後の歯磨きを丁寧に行うこと”です。
記事を読んでみて心当たりが多かった人もいたのではないでしょうか。口臭や歯周病は歯医者の定期的な受診で改善できるといわれています。
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