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歯周病とはどんな病気?チェックリストやおすすめの予防方法をご紹介

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歯周病の予防

歯周病とはどんな病気?チェックリストやおすすめの予防方法をご紹介

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歯周病とはどんな病気?チェックリストやおすすめの予防方法をご紹介

更新日:2022.11.14

歯周病の予防

歯周病は、歯と歯ぐきのすきまから細菌が入ることで炎症を起こす感染症です。
歯周病の初期では虫歯のような痛みを伴わないため気づきにくく、そのままでは、歯を支えている骨にも影響を及ぼして骨を溶かすことがあります。 自覚がないまま進行し、歯肉の腫れや痛みなどの異変に気づいた時には、かなり重症化していることも少なくありません。
では、なぜこのように恐ろしい感染症である歯周病になるのでしょうか。 歯周病の予防方法や、定期健診が大きなポイントになってくることなどをご紹介します。

歯周病とは?原因や症状を解説

歯周病は歯ぐきや歯を支える骨に炎症が起こることで、歯を支えるはぐきや骨にも進行し、最終的には歯を失うこともある疾患です。
2001年には人類史上最も感染者数の多い感染症として、ギネス世界記録に認定されました。
虫歯のように歯に直接変化が起こるものではないため、初期には自分でも歯周病には気づきにくいことがあります。

普段の歯磨きが不十分ですと、歯垢や歯石が繁殖しやすくなります。
繁殖した歯垢には、細菌が多く含まれており、毒素を生み出します。この毒素によって歯ぐきが腫れたり、歯と歯ぐきの間にすきまができたりします。
そのすきまである「歯周ポケット」には歯石がたまっていきます。歯石がたまることでいっそう細菌が繁殖しやすい環境になり、さらに歯周ポケットも深くなっていくのです。

歯周病の原因

歯周病は歯ぎしり、食いしばり、片方で噛むといった歯にかかる力の問題を背景に、原因歯周病菌の繁殖によるものです。
そしてこの歯周病菌は、数十種類に及びます。

歯周病になると、細菌が毒素を生み出して歯ぐきに炎症が起こります。その炎症による症状が、腫れや出血です。
そのままにしてしまうと歯と歯ぐきの間に隙間ができ、酸素の少ない歯周ポケットで細菌の繁殖が進行します。

歯周病の症状

歯周病により歯周ポケットで細菌が繁殖すると、歯ぐきの腫れ、歯が痛くて噛めない、歯ぐきが下がる、歯がぐらぐらする、といった症状が現れます。
さらには、歯を支えている歯槽骨という骨が溶けてしまいます。
歯槽骨が溶けると、歯を支えられなくなるため、歯が抜けてしまうことにつながります。

細菌によっておこる歯周病はこのように自覚のないまま進行し、放置すれば大切な歯を失う恐ろしい疾患なのです。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周疾患の症状・原因・進行」

こんな自覚症状があったら歯周病かも

歯磨き・歯周病予防

歯周病の自覚症状には、歯ぐきの炎症(痛み、腫れ、排膿)や歯磨き時の出血が挙げられます。
歯周病の初期にはわかりにくいことも多いので、次のようなセルフチェックで確認してみましょう。
該当する症状があれば、歯周病の可能性がありますので、歯科医院での相談をおすすめします。

歯周病のセルフチェックリスト(厚生労働省のサイトからの引用)

  • 朝起きたときに、口のなかがネバネバする
  • 歯みがきのときに出血する
  • 硬いものが噛みにくい
  • 口臭が気になる
  • 歯肉がときどき腫れる
  • 歯肉が下がって、歯と歯の間にすきまができてきた
  • 歯がグラグラする

次に、歯周病が起こりやすい方の特徴を紹介します。
以下の項目に当てはまる方は注意が必要です。

  • 中年期以降である(リスクがあがる)
  • 喫煙(加熱・紙巻たばこ)の習慣がある
  • 歯みがきの回数が1日1−2回程度と少ない
  • 歯磨きができていない
  • お口の中が乾燥しやすい
  • 歯が抜けて無い部分を放置している
  • 片側で噛む癖がある
  • 歯ぎしり、食いしばりを家の人に指摘されたことがある

また、「妊娠中の方」や「糖尿病の方」は歯周病のリスクが高いと考えられています。
少なくとも年に一度は歯科医療機関での検診を行うようにしましょう。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周疾患の自覚症状とセルフチェック」

歯周病の予防方法は?歯の清掃が効果的

歯周病を予防するための基本は、「毎日の歯みがき習慣」と「定期的な歯石除去」です。
歯垢がつかないようにすることが、歯周病の予防には欠かせません。

歯周病の治療は、まず歯科医師や歯科衛生士による歯の清掃や咬み合わせの調整を行います。症状によっては、歯ぐきの手術なども行います。

歯医者での定期的な清掃が必要

歯周病のはじまりは、細菌の固まりである歯垢が歯ぐきの炎症を起こすことです。
細菌はバイオフィルムと呼ばれるうすい膜になって歯に張り付いています。
このバイオフィルムには薬品が効きにくいため、毎日の歯みがきや歯科医療機関での清掃には効果があるのです。

また、歯石の表面を舌で触るとわかりますが、ざらざらしていて内部にすきまもあるので、歯石があるとバイオフィルムもできやすくなります。歯石は自分で取り除くことができません。そのため歯科医院での定期検診で歯石の除去をする必要があるのです。
歯石を除去したあと、歯垢や歯石がつきにくくなるようにPMTCを行うこともより予防効果が高まります。

※PMTCとは、専門の機器とフッ化物入り研磨剤を使用して徹底的に歯の清掃を行うことです。

生活習慣も改善しましょう

こうした専門的な治療による歯石や歯垢の除去は歯周病予防に有効ですが、生活習慣や食生活など、歯周病になりやすい原因にも気をつけましょう。
お口の中が乾燥している方は唾液による殺菌効果が低減するため、歯周病にかかるリスクは高まります。こまめな水分摂取を心がけましょう。

糖尿病は体の免疫防御機能が低下するため、歯周病にかかりやすくなります。しかも糖尿病をコントロールすると、歯周病も改善していくことも明らかになっています。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病の予防と治療」

歯周病予防は、歯科医院での定期的な歯石除去と正しい歯みがき習慣から

歯周病は気づかないうちに進行し、放置すると歯を失ってしまうことにもなりかねない恐ろしい感染症です。
だからこそ、正しい歯みがき習慣と、定期的な歯科検診や歯石除去によって、効果的な歯周病予防に取り組む必要があります。
もしも歯周病にかかってしまっていても、適切な治療を受けることが大切です。気になる症状があれば早めに歯科医院を受診して適切な治療を受けましょう。

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