フッ素塗布はいつからすべき?フッ素を予防歯科に使用するメリットも紹介
更新日:2024.11.22
皆さんは、歯の健康にフッ素を利用すると効果的だと聞いたことがあるかもしれません。しかし、フッ素を塗る理由や、フッ素の効果・どのくらい効果が持続するか知らない方は多いのではないでしょうか?
この記事では、フッ素の役割やフッ素を歯にいつから使用する人が多いのかを紹介します。この記事を読めば、皆さん自身の歯やお子様の歯に効果的なフッ素の使用ができるようになります。
目次
予防歯科におけるフッ素の役割
フッ素の役割は、主に虫歯予防と進行の防止です。フッ素が配合された歯磨き粉を使用すると虫歯予防効果が約24%になると報告されており、効果が高いことがわかるでしょう。厚生労働省の調査によると、フッ素イオンが配合された歯磨き粉をフッ素塗布と併用することによって、フッ素塗布のみの群に比べ、乳歯の虫歯の減少率が65%になったともいわれています。また、成人・高齢者の根面虫歯に対しても67%の予防効果があると報告されています。このことから、根面虫歯の予防においても効果的といえるでしょう。
どのくらいの割合でフッ素が使用されているのか
厚生労働省の調査によると、フッ素が配合された歯磨き粉を使用したことがある者は52.4%とされています。このことからフッ素が配合されている歯磨き粉の使用という形で、フッ素を使用する人の割合が多いことがわかるでしょう。フッ素を歯に利用した経験のある者は約6割となっていますが、そのうちフッ素塗布の経験のある者は13.1%と比較的少ないです。
出典:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」p.24
出典:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」p.25
また同じ調査で、6歳が一番フッ素塗布の経験がある者の割合が多いことがわかっています。このことから、小学校に上がるタイミングでフッ素を塗布する人が多いと推測できます。
子どものフッ素塗布について
日本歯科医師会によると、フッ素塗布は上下の前歯が生える1歳6ヶ月からが最適といわれています。実は乳歯の虫歯が多いと、たいてい永久歯の虫歯も多くなるといわれているのです。そうならないためにも、歯が生えてから3年以内に予防を徹底することが重要です。フッ素塗布の頻度についてですが3ヶ月から半年ごとに塗布すると良いでしょう。また、歯に歯垢が付いている状態でフッ素塗布をしても効果は期待できません。そのため、歯垢をしっかり除去したきれいな状態で塗布するよう注意が必要です。
出典:日本歯科医師会|知っ得!口腔ケア最新メソッド|最近目にする「フッ化物(フッ素)」って?効果的に活用して、虫歯になりにくい強い歯に
フッ素を歯に使用するときの注意点
フッ素を歯に使用する際、いくつかの注意点があります。
- 塗布後は30分間飲食やうがいをしない
- 乳幼児の時は、年2回以上定期的に通うと効果的
- 6歳未満は高濃度のフッ素が配合されている歯磨きの使用を控える
- フッ素を使用しているからといって歯磨きを怠らない
以上の注意点について解説します。
塗布後は30分間飲食やうがいをしない
フッ素を歯に塗布すると歯の表面で化学反応が起こりフッ化カルシウムになります。しかし、フッ素を塗布した後すぐに飲食やうがいをすると、フッ素が歯の表面から流れます。このことで、塗布による予防効果が低下します。そのためフッ素を塗った後、30分程度は飲食やうがいを控えましょう。
乳幼児の時は、年2回以上定期的に通うと効果的
フッ素塗布は単に1回受けても効果は薄く、年2回以上定期的に継続して受けることで効果が得られるでしょう。厚生労働省の調査によると乳幼児に定期的に継続して実施した場合、虫歯をほぼ半分に減少させたとの報告もあります。また、永久歯に対する予防効果については20~30%の報告が多いです。
6歳未満は高濃度のフッ素が配合されている歯磨きの使用を控える
低年齢児にとって、高濃度のフッ素が配合された歯磨き粉等の使用は注意が必要です。6歳未満の子どもには1,000ppm以上の高濃度のフッ素配合歯みがき剤の使用は控える、また6歳未満の子どもの手の届かないところに保管することを厚生労働省の「フッ化物配合歯磨剤」で呼びかけています。
フッ素を使用しているからといって歯磨きを怠らない
フッ素塗布には虫歯予防に効果がありますが、フッ素塗布をしたからといって歯磨きを怠らないようにしましょう。虫歯の原因は磨き残しであるため、フッ素塗布をしていても歯磨きによるケアが重要です。フッ素塗布だけではなく、毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスをしっかり行いましょう。
出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)「フッ化物歯面塗布」
出典:日本歯科医師会|知っ得!口腔ケア最新メソッド|最近目にする「フッ化物(フッ素)」って?効果的に活用して、虫歯になりにくい強い歯に
フッ素を活用して虫歯予防を心がけましょう
このように、フッ素はさまざまな使用方法で虫歯予防に活用されています。定期的に歯医者でフッ素塗布をしてもらうと、歯の健康維持がしやすくなるでしょう。フッ素塗布で、根面の虫歯の予防や進行をおさえたり、知覚過敏の痛みを和らげたりできるといわれています。そのため、定期的にフッ素塗布をし、効果的な治療を取り入れることがおすすめです。
記事を読んでみて心当たりが多かった人もいたのではないでしょうか。口臭や歯周病は歯医者の定期的な受診で改善できるといわれています。
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