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30代の歯周ポケットの深さは平均何ミリ?歯周病リスクと予防の基本を解説

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歯周病の予防

30代の歯周ポケットの深さは平均何ミリ?歯周病リスクと予防の基本を解説

30代の歯周病予防

30代の歯周ポケットの深さは平均何ミリ?歯周病リスクと予防の基本を解説

更新日:2025.05.27

歯周病の予防

30代は仕事や家庭などで生活が忙しくなる一方で、体調や生活習慣の変化が表れやすい時期です。そんな中で、口腔ケアが後回しになってしまう人も少なくありません。特に歯周病は30代から増加傾向にあり、その兆候として注目されるのが「歯周ポケット」の深さです。
歯周ポケットとは、歯と歯茎の間にできる溝のことで、健康状態を示す重要な指標です。本記事では、30代における歯周ポケットの深さと歯周病リスク、そして予防策について解説します。

歯周ポケットとは?

歯周ポケットは、歯と歯茎の間にある溝を指します。健康な歯茎ではこの溝はごく浅く、1〜3mmが一般的な正常範囲とされています(※ただし、一部の歯科文献では1〜2mmを正常とする場合もあります)。
この溝に歯垢・プラーク(細菌の膜)が溜まると炎症を起こし、歯茎が歯から離れて歯周ポケットが深くなります。これが進行すると歯周病のリスクが高まります。

30代における歯周ポケットの平均的な深さ

歯周ポケットの深さは年齢や生活習慣、日頃のケア状況によって変化します。厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査」によると、30代の約3人に1人が歯周ポケット4mm以上を有しており、歯周病のリスクがあることが示されています。

一方、残りの約3分の2の人は1〜3mmの範囲内に収まっているため、30代全体の歯周ポケットの平均的な深さはおおむね1〜3mm程度と考えられます。ただし、4mm以上の歯周ポケットを持つ人の割合は年々増加傾向にあり、注意が必要です。

出典:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査」

30代で歯周病になる人が増える?

30代はそれまでの口腔衛生習慣の影響が現れやすい時期とされており、歯周病の発症が増加傾向にあります。特に喫煙やストレス、偏った食生活、睡眠不足などの生活習慣がリスクを高めます。
歯周病が進行すると、歯茎の腫れや出血、歯の動揺、最終的には歯の脱落につながることもあるため、早期の対策が必要です。

歯周病予防と歯周ポケットのケア

歯周病予防には日々のケアと定期的な歯科診療の両立が重要です。

  • 毎日の丁寧な歯磨きとフロスの活用によってプラークを減らす
  • 歯間ブラシで歯と歯の間の汚れを除去する
  • 舌ブラシによる舌苔の除去や口腔乾燥の予防
  • 歯科定期検診の受診

定期検診では、歯周ポケットの深さを専用の器具で測定してもらえます。数ミリ単位の変化でも歯周病の兆候を把握するため、3ヶ月〜半年に1回の受診がおすすめです。

出典:日本歯周病学会「歯周治療のガイドライン2022」p.80

また、30代のうちに始めておきたいケアとしては以下が挙げられます。

  • 正しい歯磨き法の習得(スクラビング法など)
  • 夜の歯磨き後の飲食を控える習慣づけ
  • 禁煙や栄養管理による歯茎の健康維持
  • 市販の歯周病予防歯磨き粉の併用(薬用成分配合)

こうした複合的なアプローチにより、歯周ポケットの悪化を防ぎ、歯周病を未然に防ぐことが可能になります。

30代からの歯科検診で歯周ポケットをケア

30代は歯周病リスクが高まり始める時期であり、口腔ケアの見直しが重要です。歯周ポケットの状態を知ることで、歯周病の早期発見・予防につながります。
今のうちから適切なケアと定期検診を習慣づけて、健康な歯を守りましょう。

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