歯磨きを1日サボると何がおこる?理想的な歯磨きの回数やテクニック
更新日:2023.01.12
仕事で夜遅くに帰ってきたり、飲みすぎたりすると、ついサボりたくなる歯磨き。
しかし、お口のなかにどのような影響を与えるのかをご存じですか?
健康な歯を維持するためには最低でも1日に1回のお手入れが必要です。今回は歯科衛生士のNYUiiiが1日に1回のお手入れが必要な理由と適切な歯磨きの頻度についてご紹介します。
虫歯や歯周病などお口トラブルのリスクをできるだけ下げたい方は、参考にしましょう。
目次
歯磨きを1日サボったら口の中はどうなる?
歯の表面にはバイオフィルムとよばれる細菌が集まってできた薄い透明な膜が存在します。
歯垢や歯石が歯の表面にこびりつく原因であるため、できるだけ付着していない状態を維持しなければいけません。24時間経てば完全に形成されるため、歯磨きを1日サボるのはリスクがあります。
形成されてもすぐに虫歯になる可能性は低い
バイオフィルムが形成されても、すぐに歯が溶かされ始めるわけではありません。バイオフィルム内にいる菌が歯を溶かし始めるまで形成から1〜2週間はかかります。
しかし、一度バイオフィルムが形成されると歯ブラシの毛先の力では完全に除去できないため、1日1回のお手入れで歯垢の付着率を下げることが大切です。
最低1回「寝る前の歯磨き」が重要な理由
就寝中は、唾液の分泌量が最も低下するタイミングです。唾液には、歯や歯ぐきに菌をよせつけないための抗菌作用や、脱灰した状態を修復する再石灰化作用などがありますが、磨き残しが多いとその力をうまく活かすことができません。唾液の分泌量が低下する就寝中は、菌が活発になりやすい(虫歯になりやすい)タイミングといえます。
寝る前の歯磨きは必ずおこないましょう
唾液の分泌量は、よく噛んだり、唾液腺マッサージをすることで増やせますが、就寝中はコントロールができません。そのため、いかに食べかすを残さないで眠りにつくかが重要です。歯磨きが面倒に感じても、就寝前の最低1回は磨くようにしましょう。
補助用具を使って除去率アップ
歯ブラシだけでのお手入れでは、全体の6割程度しかきれいにできないので、フロスや歯間ブラシといった補助用具を合わせて使いましょう。
フロスを初めて使用する方は、扱いやすい取っ手のついたタイプをおすすめします。のこぎりを引くようにして歯の側面に当てましょう。
歯間ブラシは、隙間のサイズにあわせて使用する必要があります。適切なサイズでなければうまく汚れを除去できないどころか、歯ぐきを傷つける可能性もゼロではありません。まずは一度歯科医院でチェックしてもらいましょう。
歯磨きは1日に何回が理想?磨きすぎには要注意
歯磨きは、毎食後に磨くのが理想です。理由は、食後は菌が活発化しやすい酸性に傾くからです。できるだけ早く菌のエサとなる食べかすを取り除き、中性に戻さなくてはいけません。
しかし、磨く回数が多ければいいというわけでもなく、磨きすぎにもデメリットは存在します。
磨きすぎのデメリット
歯ブラシによる刺激で歯の表面や歯ぐきが擦り減ってしまい、知覚過敏がおこる可能性があります。毎日おこなう歯磨きだからこそ、1回1回が適切なものでなくてはいけません。とくに「かため」の歯ブラシを使用している場合は注意が必要です。
手や指が動かしにくいなど身体的な問題がなければ、できるだけ「ふつう」の歯ブラシを使いましょう。持ち方は鉛筆持ちにして、毛先が広がりすぎないように細かく動かすと、隙間の汚れもしっかりと落とせます。
磨く時間ではなく毛先のあたる位置を意識しましょう
歯磨きに必要な最低時間は3分ほどですが、歯の頭ばかりを3分間磨いても歯の根元の虫歯や歯周病を防ぐことはできません。
「歯の根元」「歯と歯の間」「噛み合わせの溝」にしっかりと毛先が当たっていることが大切です。
間食の回数を意識することも大切
食べる回数が多くなればそれだけ歯磨きの回数も増えます。磨きすぎのデメリットを防ぐには、間食の回数を減らす工夫も必要といえるでしょう。
お口のなかが酸性になっている時間を減らすことが大切であるため、糖が停滞しやすい粘着性の高いおやつを食べた後は歯磨きやうがいなどのケアを意識します。歯磨きがしにくい時は溶けやすいアイスやジュースがおすすめです。
おやつの食べ方には要注意
時間をかけて味わいたいという方も多いと思いますが、だらだら食べは虫歯のリスクが上がってしまいます。甘いものを摂取するときは、時間を決めてサッと食べ終わり、その後のお手入れは磨き方に注意しておこないましょう。
歯磨きはサボらずに就寝前の最低1回はおこないましょう
歯垢や歯石が付きやすくなる原因の一つにバイオフィルムがあります。24時間お手入れをしなければ形成されてしまうため、最低でも1日に1回のお手入れが必要です。
1日のうちもっとも唾液の分泌量が低下するのは就寝中であることから、その前に丁寧にお手入れをしましょう。フロスや歯間ブラシをあわせて使って汚れの除去率を上げることが大切です。
歯ブラシの扱い方はもちろん、フロスや歯間ブラシの使い方についてもブラッシング指導で分かりやすく説明するため、歯の状態が気になる方は歯医者の受診をしましょう。
記事を読んでみて心当たりが多かった人もいたのではないでしょうか。口臭や歯周病は歯医者の定期的な受診で改善できるといわれています。
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