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子どもでも歯周病になる?子どもの歯周病について原因や予防法を解説!

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歯周病の予防

子どもでも歯周病になる?子どもの歯周病について原因や予防法を解説!

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子どもでも歯周病になる?子どもの歯周病について原因や予防法を解説!

更新日:2025.11.27

歯周病の予防

歯周病は大人の病気と思われがちですが、実は子どもも発症するリスクがあります。
近年、虫歯の子どもは減少傾向にあるものの、歯周病の初期段階である歯肉炎を抱える子どもは増加しています。適切なケアをしなければ、永久歯の健康にも影響を及ぼす可能性があるため、早期の対策が重要です。
本記事では、子どもの歯周病について、その原因や症状、予防法をわかりやすく解説します。

子どもでも歯周病になる?基本知識を解説

「歯周病は大人の病気」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実は子どもも歯周病になります。ここでは子どもの歯周病に関する基本知識を解説します。

歯周病とは?

歯周病とは、歯ぐきの炎症から始まる感染症です。お口の中に溜まった歯垢(プラーク)に含まれる細菌が繁殖することで発症します。

初期段階では歯ぐきの炎症である「歯肉炎」として現れ、進行すると歯を支える骨にまで影響が及ぶ「歯周炎」へと悪化していきます。歯周病は大人だけでなく子どもにも発症し、放置すると永久歯にも悪影響を与える可能性があります。

子どもが歯周病になりやすい理由

近年、子どもの歯周病が増加している背景にはいくつかの要因が関係しています。

まず、歯磨きの不十分さが挙げられます。子どもは細かい部分まで丁寧に磨くことが難しく、磨き残しが多くなりがちです。子どもの歯磨きが不十分になりやすい理由には、手先の未発達や注意力の不足、奥歯の磨きづらさなどが関係しています。

また、間食や甘い飲み物の摂取機会が増えていることも影響しています。糖分が多い食事は歯垢の形成を促進し、歯ぐきの炎症リスクを高めることがあります。

さらに、子どもの口呼吸も問題です。子どもの口呼吸は自覚症状がないケースもあり、放っておくと習慣化してしまう危険もあります。口呼吸によってお口の中が乾燥すると、唾液の自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすくなります。

加えて、仕上げ磨きの不足も原因のひとつです。保護者による仕上げ磨きが早い時期に終わってしまうと、子ども自身のブラッシングだけでは汚れを十分に落としきれません。

子どもがなる歯周病の特徴や症状

子どもの歯周病には、いくつかの特徴があります。

まず、炎症が起きやすい点が挙げられます。乳歯や生えたばかりの永久歯は、歯ぐきがまだ未熟で炎症を起こしやすい状態にあります。

主な症状としては以下の例が挙げられます。

  • 歯ぐきの腫れや赤み
  • 歯磨き時の出血
  • 口臭の悪化
  • 重度になると歯がぐらつくこともある

また、痛みが少ないため気づきにくいという特徴もあります。初期の歯肉炎では強い痛みがないため、子ども自身が違和感を訴えることが少なく、保護者も見逃してしまいがちです。
健康な歯ぐきは薄いピンク色をしていますが、炎症が起きると歯ぐきが赤くはれてふくらんで見えます。歯茎からの出血や起床後の口臭といったサインとあわせてチェックするようにしましょう。

さらに、進行すると永久歯にも影響を及ぼします。乳歯の時期に歯肉炎を放置していると将来的に歯周炎に進行するリスクが高まり、永久歯の健康や歯並びにも悪影響を与える可能性があります。

子どもの歯周病を防ぐための予防法

子どもの歯周病は、日々の適切なケアと生活習慣の見直しで予防することができます。特別な道具や難しい技術は必要ありません。ここでは、今日から家庭で実践できる効果的な予防法をご紹介します。

仕上げ磨きは小学校低学年まで続ける

子どもの歯周病予防で最も効果的なのが、保護者による仕上げ磨きの継続です。

小学校に入学すると自分で磨けるようになったと感じがちですが、細かい部分まで丁寧に磨くことはまだ難しい年齢です。小学校低学年までは仕上げ磨きを続けることで、磨き残しを大きく減らすことができます。

また、親子で一緒に歯磨きをする習慣をつけることで、正しいブラッシング方法を自然に身につけることができます。

フロスを取り入れる

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを十分に落とすことができません。

子どもでも歯間には汚れが溜まりやすく、歯周病の原因になります。子ども向けのフロスは柄がついているタイプもあり、使いやすくなっています。1日1回、特に就寝前に使用することをおすすめします。

定期的な歯科検診を受ける

自宅でのケアだけでは不十分な場合もあるため、子どもであっても定期的な歯科検診が重要です。

3〜4か月に1回を目安に歯科医院を受診し、お口の中の状態をチェックしてもらいましょう。プロのクリーニングを受けることで、自宅では落としきれない歯垢や歯石を除去できます。歯周病の早期発見にも有効で、症状が軽いうちに対処できるため、定期検診を習慣化することが大切です。

間食の回数・時間を見直す

食生活の見直しも、歯周病予防に欠かせません。

だらだらと時間をかけてお菓子などを食べる習慣(ダラダラ食べ)はお口の中に糖分が長時間残り、細菌が繁殖しやすくなります。間食の時間を決めて、食べ終わったらしっかり歯を磨くようにしましょう。

また、糖質の過剰摂取を抑えることも重要です。甘い飲み物やお菓子は控えめにし、栄養バランスの取れた食事を心がけることで、お口の環境を健康に保つことができます。

まとめ

歯周病は大人だけの病気ではなく、適切なケアをしなければ子どもでも発症するリスクがあります。

歯周病の初期は痛みが少なく気づきにくいため、歯ぐきの腫れや赤み、歯磨き時の出血、口臭などのサインを見逃さないようにしましょう。

仕上げ磨き・フロス・定期検診の3つを習慣化することで、発症リスクを大きく減らすことができます。さらに、生活習慣の見直しも子どもの歯ぐきを守る鍵です。間食の時間を決める、糖質の摂取を控える、口呼吸を改善するなど、日常生活の中でできることから始めましょう。

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