歯周病はサプリメントで予防・改善できる?サプリ選びと摂取時のポイントを紹介
更新日:2024.12.28
歯周病は、30歳以上の日本人の80%が経験する口腔内の疾患であり、放置すると歯の喪失につながることもあります。歯周病予防のためには、念入りな歯磨きや歯科医院での定期検診が欠かせませんが、近年では「サプリメントの摂取が歯周病の予防や改善に効果的である」との研究結果が多く報告されています。
目次
歯科とサプリメントの関係
歯周病は、歯垢(プラーク)に含まれる歯周病菌によって引き起こされる感染症です。歯垢が歯に付着したままになっていると、歯ぐきが腫れて炎症が起こり、やがて歯を支えている顎の骨まで溶かされてしまいます。歯周病の怖いところは、初期では自覚症状がなく、気が付かないうちに進行してしまうことです。重度の歯周病になり、歯を支えきれないくらい骨がなくなると、自然と歯が抜け落ちてしまいます。そして失った骨や歯は、元に戻すことはできないのです。そのため、歯周病になる前に予防することが非常に大切だといわれています。
歯科の分野では、歯周病予防・改善の一つの方法として「サプリメントの摂取が口腔内の健康維持や疾患の予防に役立つ」との認識が高まっています。
ドライマウス対策やインプラント・抜歯後のケアにも、特定の栄養素が推奨されているのです。
サプリメントは健康食品に分類される食品で、健康維持・増進のために用いられており、日本では法律上の定義はありません。
ちなみにアメリカでは「従来の食品・医薬品とは異なるカテゴリーの食品で、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ハーブ等の成分を含み、通常の食品と紛らわしくない形状(錠剤やカプセルなど)のもの」と定義されているそうです。
特に歯科では、歯科医師が患者の口腔内を定期的に観察することができるため、サプリメントの効果を直接確認することが可能だといえるでしょう。
サプリメントと医薬品の違い
サプリメントと医薬品の主な違いは、その使用目的と効果の範囲にあります。医薬品は病気の治療や症状の緩和を目的としており、その効果や安全性は厳格な試験を経て確認されています。一方、サプリメントは健康の維持や向上を目的としており、特定の病気の治療効果を主張することはできません。歯科においても、病気の治療には医薬品が、予防や健康維持にはサプリメントがそれぞれ効果的に使用されることが多いです。
歯周病予防に効果的な栄養素とサプリメントの選び方
より効果的なサプリメントを選ぶ際には、目的に合ったものを選択することが重要です。例えば、歯周病の予防や改善を目的とする場合は「ビタミンCやアミノ酸、ヘム鉄などの成分が含まれているサプリメント」を、むし歯の予防には「カルシウムやマグネシウムが含まれているサプリメント」を取り入れるなどです。
この項では、歯周病予防や改善に効果の期待できる栄養素に焦点を当てて紹介していきます。
歯周病予防に効果的な栄養素
・ビタミンC
歯ぐきはコラーゲン繊維でできています。ビタミンCは免疫力を向上させ、コラーゲンの生成を促進することで、歯周組織の健康を保ちます。
食品では、キウイフルーツ・レモンやみかんなどの柑橘類・アセロラ・赤ピーマン・ブロッコリー・芽キャベツ・じゃがいもなどに多く含まれています。
・アミノ酸
アミノ酸はタンパク質の構成要素で、コラーゲンの原料となる成分です。コラーゲンの合成を助けたり、コラーゲンの分解を抑える働きがあり、歯周組織の再生や健康をサポートします。
肉類・魚介類・大豆製品・卵・チーズや牛乳などに多く含まれています。
・ヘム鉄
ヘム鉄は貧血を予防し、全身の血行を良くすることで、歯周組織の健康を維持します。
食品から摂取するのであれば、赤身の肉・レバー・鰹や鮪などの赤身の魚がおすすめです。
・クロム、ビタミンB群
クロム、ビタミンB群は、高血糖を予防し、糖尿病による歯周病のリスクを低減します。
鰹や鮭などの赤身の魚・鰻・ヒレ肉・鶏ささみ・レバー・バナナ・パプリカ・たらこ・卵からも摂取することができます。
・コエンザイムQ10
歯周病の患者の歯ぐきの組織内は、コエンザイムQ10の濃度が低下していることが報告されています。そのためサプリメントとして摂取することで、歯ぐきの健康をサポートしてくれる可能性があります。
食品では、肉類・いわし・大豆・ナッツ・ゴマ・ブロッコリー・ほうれん草などに含まれています。
・ビタミンD
ビタミンDは、歯周病の進行と関連があるとされています。炎症反応を抑制する効果や、カルシウムの吸収を助ける作用があり、歯を支える骨組織の健康をサポートします。
魚介類やきのこ類に多く含まれるため、きくらげ・舞茸・いわし・鰹・鮭などを意識して摂取すると良いでしょう。
サプリメントの選び方
サプリメントを選ぶ際には、信頼性のあるメーカーやブランドを選び、必要な成分がしっかりと含まれていることを確認することが大切です。購入する時は、上記で紹介したような栄養素が含まれているかどうかも参考にしてください。
歯周病予防を目的としてサプリメントを摂取する場合は、歯科医師や栄養士などの専門家の意見を聞いて選ぶのもおすすめです。
サプリメントの摂取のポイント
サプリメントはジュースやお茶などではなく、水や白湯などと一緒に飲みましょう。飲み物に含まれる成分により、サプリメントの作用が阻害されたりするのを避けるためです。
摂取するタイミングは、食事中または食後30分以内が基本になります。しかし含まれる成分によって異なる可能性があるため、容器などに記載されている表示を必ず事前に確認するようにしましょう。
また、推奨された摂取量を守ることも大切です。「歯周病にはこの成分がいい」と言われると「多く飲めば早く良くなるのではないか?」などと思いがちかもしれませんが、サプリメントはたくさん摂取したからといって効果が高まるものではありません。過剰摂取は栄養の偏りにつながり、効果を十分に得られなくなる可能性もあります。
歯科医療に限らず、健康を維持するためには栄養バランスの取れた食事が重要です。
サプリメントや歯科定期検診で歯周病予防をしましょう
今回は歯周病予防に効果的な栄養素やサプリメントの選び方を紹介しました。
歯周病予防に効果があるといわれる栄養素やサプリメントはいくつかありますが、栄養が偏りすぎないように注意が必要です。
歯周病予防をするならサプリメントのほか、歯医者で行う定期検診も効果が見込めます。
記事を読んでみて心当たりが多かった人もいたのではないでしょうか。口臭や歯周病は歯医者の定期的な受診で改善できるといわれています。
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