口腔ケアとインフルエンザの意外な関係!歯磨きが感染を防ぐわけ
更新日:2025.12.09
冬になると流行するインフルエンザですが、手洗いやうがい、マスクなどの対策をして気をつけたいものです。
実は口腔ケアも、ウイルス対策として注目を浴びていることをご存じでしょうか。
本記事では、なぜ口の中の清潔さがインフルエンザ防止に役立つのか、具体的なケア方法も含めてわかりやすく解説します。
目次
インフルエンザについて
日本では、冬になると毎年多くの人がインフルエンザに感染し、重症化するケースもあります。
感染者の「咳」や「くしゃみ」で放出されたウイルスが、のどや鼻の粘膜に付着することで感染するといわれています。
感染すると、38℃以上の発熱や全身のだるさ、頭痛、関節痛、筋肉痛といった症状が生じます。それに加え、のどの痛みや鼻水、くしゃみなど風邪に似た症状も現れ、日常生活がつらくなることもあるでしょう。
インフルエンザ対策としては「ワクチン接種」「手洗い・うがい」「マスク着用」が基本です。しかし、最近の研究でこれらに加えて「口腔ケア」を見直すことで、感染リスクをさらに下げられることが注目されています。
口の中の細菌がインフルエンザ感染の助けに?
私たちの口の中には多くの細菌が住んでいます。普段は問題なく過ごせますが、歯磨きが不十分だったり、歯周病があったりすると細菌の数が増えやすくなります。
この細菌が、インフルエンザウイルスの活動を助けてしまう可能性があることがわかってきました。
インフルエンザウイルスがのどや鼻の粘膜に侵入するには、ウイルス表面のたんぱく質が「切り替わる」工程が必要です。
その工程を、体内の酵素だけでなく、細菌が作り出す酵素も手助けしてしまうことがあるのです。
特に、歯周病につながる菌が増えると、ウイルスが粘膜に入り込みやすい状態がつくられてしまいます。
つまり、口の中が汚れて細菌が多い状態では、感染するリスクを高めてしまう可能性があるということです。お口の健康を守ることは、ウイルスから体を守ることにもつながるのです。
また、最近のレビューでは、口腔内の病気や不潔な状態は、インフルエンザだけでなく、肺炎や気管支炎といった呼吸器の病気全般のリスクを高めることが示されています。
インフルエンザ予防につながる口腔ケア
インフルエンザ対策として口腔ケアを取り入れる場合、特別なことをしなくても、日常習慣の見直しだけで十分役立つとされています。ここでは、今すぐ始められるケア方法を紹介します。
丁寧な歯磨き
予防の基本は、毎日の歯磨きを丁寧に行うことです。特に歯と歯の間や歯ぐきの境目、舌の付け根には細菌がたまりやすいため、意識して磨きましょう。
舌の表面も軽くブラッシングすることで、口内の細菌をより減らすことができます。
マウスウォッシュを補助的に使う
歯ブラシだけでは落としきれない部分の細菌ケアには、マウスウォッシュ(洗口液)も役立ちます。すぐにできるため、外出先での対策としても効果的です。
ただし、マウスウォッシュだけではケアは不十分です。あくまで、歯磨き+舌ケアの「補助」として使いましょう。
定期的な歯科医院でのクリーニング
自分では完全に落とせない歯垢や汚れは、歯科医院でクリーニングしてもらいましょう。
専門的なケアで口内細菌を減らし、ウイルスが活性化しやすい環境を防ぐことが期待されます。
唾液をしっかり出す生活習慣に
唾液はウイルスの侵入を防ぐ力があるとされています。
そのため、水分補給をこまめに行ったり、食事中によく噛むことを意識したりすることで、唾液が出やすくなり口内を自然に洗浄できます。
まとめ
インフルエンザ対策と聞くと、ワクチンや手洗い、うがい、マスクといった対策がまず思い浮かびますが、「口腔ケア」も見逃せない予防法の一つです。
そのため、歯磨きだけでなく、舌のケアやマウスウォッシュ、唾液を促す習慣、そして必要に応じた歯科医院でのケアなど「プラスアルファ」の口腔ケアを取り入れることで、ウイルスに対する防御力を底上げできるかもしれません。
普段のインフルエンザ対策に口腔ケアも加えて、インフルエンザ予防をしていきましょう。


