デンタルフロスの使い方を解説。フロスの種類や使う際の注意点
更新日:2025.12.01
歯を丁寧に磨いているつもりでも、歯ブラシだけでは落としきれない汚れが残ることがあります。特に歯と歯の間は磨き残しが多く、虫歯や歯周病の原因となりやすい場所です。
そこで役立つのが「デンタルフロス」です。本記事では、フロスの種類から正しい使い方、知っておきたい注意点までわかりやすく解説します。
目次
デンタルフロスとは
デンタルフロスは、細いナイロンの糸を合わせて束ねた使い捨ての歯間清掃道具です。
デンタルフロスの役割
デンタルフロスには、口腔内の健康を守る役割が期待されています。
- 歯と歯の間の清掃
- 歯垢除去と歯石予防
歯と歯の間は通常は非常に狭く、歯ブラシでは届かないことが多いです。デンタルフロスはこの狭いスペースに通すことで、食べ物カスや歯垢を糸に絡め取って効果的に除去します。
歯垢は歯と歯茎の間に蓄積しやすく、そのまま放置すると歯石に変化して取り除くことが難しくなるでしょう。デンタルフロスは歯垢を除去し、歯石ができるのを防ぐ役割を担っています。
デンタルフロスと歯間ブラシの違い
歯間清掃の道具には、デンタルフロスと歯間ブラシがありますが、使う場所が異なります。
デンタルフロスは、歯と歯に接した面など、すき間の狭い部分に使用します。特に、1番細い歯間ブラシが入らない方は、デンタルフロスを選びましょう。
歯間ブラシは、食べカスが詰まりやすい、すき間の広い部分に使用します。ゴムタイプとワイヤータイプがあり、初心者の方はゴムタイプから始めるのがおすすめです。
デンタルフロスの種類
デンタルフロスには、大きく分けて2つのタイプがあります。
ホルダータイプ
持ち手がついているフロスで、F字型とY字型の形状があり、初心者の方に特におすすめです。F字型は前歯部に、Y字型は奥歯などの臼歯部に使いやすい設計になっています。人差し指と親指で握り、歯間を掃除するたびに水で洗って使用します。
糸巻き(ロール)タイプ
必要な長さに切り、指に巻き付けて使用するタイプです。慣れるまでにコツが必要ですが、慣れれば簡単で経済的です。指から肘くらいまでの長さにフロスを切り、左右の中指の第二関節に巻き付けて使用します。歯垢がついた部分を使用しないように別の部分を使用しながら、上下左右すべての歯間を清掃できます。
タイプ別!デンタルフロスの使い方
それぞれのタイプに合わせた正しい使い方を見ていきましょう。
ホルダータイプ(Y字・F字)
ホルダータイプは、初心者でも使いやすい設計になっています。使い方は以下の通りです。
- デンタルフロスを歯に当てる
- 歯と歯の間に入れる
- 上下に動かす
- 横に動かしながら取り出す
親指、人差し指、中指の3点で支えるように持ちます。口を「い」の形に開き、鏡を見ながら行いましょう。
のこぎりのようにゆっくりと前後させながら挿入します。奥歯の場合は、フロスを少し手前に傾けると大きく口を開けなくても歯間に入れやすくなります。
歯間に入ったら、両歯面に沿わせるようにして上下方向に動かします。歯の一方の側面に沿わせた後、となりの歯面にも同様に行います。
ゆっくりと左右に動かしながら抜いていきます。1つの歯間を清掃するたびに水で洗うと、より清潔にケアできます。
糸巻き(ロール)タイプ
糸巻きタイプは、慣れれば経済的で使いやすいタイプです。使い方は以下の通りです。
- 1回の使用分のフロスを取り出し、指に巻きつける
- 歯と歯の間に入れる
- 上下に動かし、歯垢を落とす
- 横に動かしながら取り出す
指から肘くらいまでの長さ(約40cm)にフロスを切ります。左右の中指の第二関節に巻き付け、親指と人差し指で1〜2cmの長さに調整しましょう。
歯と歯の間に糸をあててゆっくりと左右に動かしながら挿入します。この時、のこぎりを引くようなイメージで優しく前後させながら入れていきます。
歯間に入れたら曲げて歯の側面に沿わせ、上下に動かして歯垢や食べ物の粒子を優しく取り除きます。
ゆっくりと左右に動かしながら抜いていきます。歯垢がついた部分を使用しないように別の部分を使用しながら、上下左右すべての歯間を清掃していきます。
デンタルフロスを使う際の注意点
デンタルフロスは正しく使わないと、かえって歯や歯茎を傷つけてしまうことがあります。
歯茎を傷つけないコツ:無理やり押し込まない
デンタルフロスを力任せに行うと、歯茎や歯を痛めてしまいます。歯茎を傷つけ、出血や歯茎が退縮してしまう原因となりうるため、力を抜いて優しく行うようにしましょう。
のこぎりのようにゆっくりと前後させながら挿入することで、無理なく歯間に入れることができます。もし出血した部分が痛いと感じる場合は、フロスで傷がついた可能性があるため、歯科医院に相談することも考えましょう。
歯に沿って歯茎の中まで掃除をする
デンタルフロスを使用する際は、歯面に沿わせて動かすことが重要です。
歯面に沿わせずにデンタルフロスを動かしてしまうと、歯茎を傷つけてしまうこともあります。また、歯茎と歯の間にある歯垢(プラーク)を取り残してしまうことにもつながります。
正しいフロッシングを行うと、歯肉をマッサージし、血行の促進に良い影響を与えることもあり、歯肉の健康維持につながります。
まとめ
デンタルフロスは、歯ブラシだけでは取りきれない歯間の汚れを除去する重要なケアアイテムです。
デンタルフロスにはホルダータイプと糸巻きタイプがあり、初心者の方はホルダータイプから始めるのがおすすめです。使用する際は、無理やり押し込まず、歯に沿って優しく動かすことが大切です。正しい使い方で歯垢や食べかすを取り除くことで、虫歯や歯周病を予防し、健康な口腔環境を維持できます。
毎食後が理想的ですが、難しい場合は夜寝る前の歯磨きでデンタルフロスを使いましょう。日々のケアにデンタルフロスを取り入れ、大切な歯を健康に保ちましょう。


