
「口臭が気になる…」洗口液・マウスウォッシュで本当に改善する?
更新日:2025.04.19
口臭が気になるとき、手軽に使える洗口液(マウスウォッシュ)を頼りにしている方も多いのではないでしょうか。確かに市販の洗口液は、殺菌や消臭作用により一時的な口臭対策には効果的です。しかし、成分や使い方によっては思わぬリスクを伴うこともあります。
本記事では、洗口液・マウスウォッシュの基本的な効果や口臭への影響、注意点まで詳しく解説します。
目次
洗口液(マウスウォッシュ)とは
マウスウォッシュは、口腔内の洗浄や殺菌を補助し、虫歯や歯周病、口臭の予防に役立つ液体製品です。ただし、歯磨きやフロッシングの代わりではなく、あくまで補助的なケアとして位置づけられています。
代表的な役割と成分の例は以下の通りです。
- 殺菌成分:口内の細菌を減らし、虫歯や歯周病、口臭の原因にアプローチします。例:セチルピリジニウム塩、クロルヘキシジンなど
- フッ素:歯のエナメル質を強化し、虫歯の予防に寄与します
- 洗浄補助成分:食べかすや表面の汚れを浮かせて洗い流す働きをします(ただし、歯石などの硬い沈着物は除去できません)
- 薬用成分:製品によっては、歯肉炎や口内炎の炎症を鎮める成分が含まれることもあります
洗口液(マウスウォッシュ)に含まれる主要成分
マウスウォッシュには、製品によってさまざまな成分が含まれています。以下は代表的な構成です。
成分名 | 主な役割や特徴 |
---|---|
水 | 溶媒として、他の成分を安定的に口腔内に届けます |
アルコール | 抗菌作用がありますが、口腔乾燥を引き起こすこともあるため、近年はアルコールフリー製品も増えています |
フッ素 | 虫歯予防に効果があります |
殺菌剤 | セチルピリジニウム塩(CPC)、クロルヘキシジンなどが代表的で、口臭・歯周病対策に用いられます |
フレーバー成分 | メントールやミントなど。口内を爽やかにしますが、臭いの「マスキング効果」にとどまり、根本的な口臭除去にはなりません |
増粘剤・緩衝剤・着色料 | 製品の使用感や保存安定性を保つために使用されています |
商品を選ぶ際には、ラベルや成分表示をよく確認しましょう。特に長期使用が想定される場合、刺激の少ない成分配合の製品を選ぶことが推奨されます。
洗口液・マウスウォッシュの成分や選び方についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
洗口液(マウスウォッシュ)の正しい使用方法
マウスウォッシュの効果を引き出すためには、次のような流れで使うのがおすすめです。
- 歯磨き後に使用
- 適量を計る
- 口内でゆすぐ
- うがい後すぐに水ですすがない
最初にブラッシング・フロッシングで歯の汚れを取り除いた後に使うと、殺菌・洗浄効果が高まります。適量を計る際は、製品のキャップなどで使用量を守りましょう。
ゆすぐ際は、20~30秒間しっかりと口全体に行き渡らせてから吐き出します。飲み込まないように注意してください。
最後に有効成分の持続効果を高めるため、特に、医薬部外品の場合はすすがない方が良いとされています。(※)
ただし、クロルヘキシジンなど一部の殺菌剤は長期使用により味覚異常や着色の副作用が報告されているため、使用期間や頻度には注意が必要です。
(※)出典:アース製薬「約75%の人は知らない!洗口液と液体歯磨き、区別して使っていますか?」
洗口液(マウスウォッシュ)のリスク・デメリット
マウスウォッシュは口臭予防や補助的なオーラルケアに役立つ反面、以下のような注意点もあります。
1.口腔乾燥
アルコールを含む製品は揮発性が高く、口腔内の水分を奪いやすいため、乾燥しやすくなります。これにより細菌の増殖が進み、逆に口臭の原因になることもあります。
2.口内細菌のバランス崩壊
マウスウォッシュは悪玉菌だけでなく、口腔内の善玉菌も除去する可能性があります。常在菌のバランスが乱れると、口腔環境の悪化につながることがあります。
3.アレルギー・刺激のリスク
一部の香料、着色料、防腐剤などに反応してアレルギー症状を起こす人もいます。肌や粘膜が弱い人は特に注意が必要です。
4.歯の着色
クロルヘキシジン配合の製品や、色素の多いマウスウォッシュは、長期使用により歯の表面に着色を引き起こすことがあります。
5.長期使用による刺激
高濃度のアルコール・殺菌剤を継続使用すると、口腔粘膜に刺激が及ぶ可能性があります。症状が出た場合は使用を中止し、医師や歯科医師に相談をしましょう。
洗口液(マウスウォッシュ)でタンパク質除去はできるのか?
口腔内には、唾液や食べ物のカス、細菌の死骸など、さまざまな「タンパク質性の沈着物」が存在します。これらが舌苔やプラーク(歯垢)のもととなり、口臭や歯周病の原因になることもあります。
マウスウォッシュには、以下のような成分が間接的にタンパク質汚れに影響を与えることがあります。
- 殺菌剤(CPCやクロルヘキシジン):細菌の活動を抑制し、分解物の蓄積を防ぐ補助的効果が期待されます
- アルコール:抗菌効果により、臭いの原因菌の働きを抑えることがあります
しかし、マウスウォッシュの効果はあくまで補助的なものであり、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどの機械的清掃と併用して初めて十分な除去効果が得られるのです。
洗口液(マウスウォッシュ)と定期検診で口臭対策を!
洗口液やマウスウォッシュは、口臭予防や口腔内の衛生維持に一定の効果がある便利なアイテムです。しかし、すべての問題を解決できるわけではなく、誤った使い方や過剰な使用によっては口内環境を悪化させるリスクもあります。
日々の歯磨きやフロスの使用、定期的な歯科検診とあわせて、補助的なケアとしてマウスウォッシュを適切に使うことが、健康な口腔環境を維持するためのベストな選択といえるでしょう。
記事を読んでみて心当たりが多かった人もいたのではないでしょうか。口臭や歯周病は歯医者の定期的な受診で改善できるといわれています。
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