
口呼吸が口臭を悪化させる?その理由と改善策を紹介
更新日:2025.05.01
お口が乾燥すると口臭がひどくなると感じることは多いのではないでしょうか。口が乾燥する原因の1つに口呼吸が挙げられます。
本記事では、口呼吸と口臭のつながりや鼻呼吸との違い、そして改善方法まで詳しく解説します。
目次
唾液と呼吸の関係について
私たちの口の中は、常に唾液によって潤されていることで健康な状態が保たれています。唾液には以下のような働きがあります。
- 食べかすや細菌を洗い流す
- 嫌なにおいを抑える
- 炎症を防ぐための抗菌作用がある
ところが、口で呼吸する習慣があると、口の中が乾きやすくなり、この唾液の働きが弱まってしまいます。乾燥が進むことで細菌が増え、結果としてにおいの原因が強まるという悪循環を招いてしまうのです。
なぜ口で呼吸するとにおいが強くなるのか?
口の中が乾いていると、においが発生しやすくなるのには明確な理由があります。
細菌が増えやすい環境になる
乾燥していると、口内の洗浄が行き届かず、細菌が増殖しやすくなります。とくに寝ている間に口を開けている人は、朝の口臭が強くなりやすい傾向があります。
舌の表面が汚れやすくなる
舌の上にたまる白い苔のようなもの(舌苔)は、口の乾きによってこびりつきやすくなります。これは細菌や食べかすの集まりで、においの元になりやすいものです。
唾液の分泌が抑えられてしまう
唾液は主にリラックス時に多く分泌されますが、口呼吸が続くことで交感神経が優位になりやすく、結果的に唾液の量が減少し、乾燥や口臭の原因となることがあります。これもにおいを強める要因のひとつです。
鼻呼吸と口呼吸の違いと体への影響
鼻呼吸と口呼吸では、体への影響が大きく異なります。
鼻呼吸は、空気中のホコリや細菌をフィルターで除去し、適度に湿った空気を体に送り込むことで、のどや肺への負担を軽減してくれます。さらに、口を閉じているため口内が乾燥しにくく、唾液の分泌も保たれるため、細菌の繁殖が抑えられ、においが発生しにくくなります。
一方、口呼吸では乾燥した空気が直接入り込むため、のどが炎症を起こしやすく、風邪などにもつながりやすいです。また、口が開いている状態が続くことで唾液が減り、口内の自浄作用が弱まります。その結果、細菌が増え、口臭や虫歯、歯周病のリスクが高まります。
さらに、寝ている間に口呼吸をしている人は、朝の強い口の乾きや不快な口臭を感じやすくなります。
健康を保ち、口臭を防ぐためにも、普段から鼻で呼吸する習慣を意識することが大切です。
今日からできる、口呼吸を改善する方法
口からの呼吸は、意識や習慣の変化によって十分に改善できます。まずは以下の方法から始めてみましょう。
●睡眠時の工夫
寝ている間に無意識で口が開いてしまう人は、口元に貼るテープやマスクの着用がおすすめです。
●姿勢を正しく保つ
猫背の人は、自然と口が開いてしまいがちです。スマートフォンを見るときやデスクワーク中も、背筋を意識するだけで呼吸が変わってきます。
●鼻づまりの解消
花粉症やアレルギーなどで鼻の通りが悪いと、自然と口呼吸になってしまいます。市販の点鼻薬や、耳鼻科での治療を受けるのも一つの手です。
●口周りの筋トレ(あいうべ体操)
「あ・い・う・べ」と口を大きく動かすことで、口のまわりの筋肉が鍛えられ、自然と口を閉じやすくなります。
おわりに
人と話すとき、マスクを外すとき、自分の息が気になる瞬間は誰にでもあります。
そんなとき、「何を食べたか」ではなく、「どんな呼吸をしているか」を見直すことが、根本的な対策につながるかもしれません。
口の中が乾きやすい人、においが気になる人は、ぜひ一度呼吸の仕方に意識を向けてみてください。