知覚過敏はマウスピース(ナイスガード)で治療できる?歯ぎしりを防ぐには?
更新日:2024.12.31
知覚過敏は、歯の神経が刺激に過剰に反応することにより、冷たい飲み物や甘いものを食べたときに歯の痛みを感じたり、違和感を覚えたりする症状のことです。
虫歯や歯周病が原因であれば、歯科医師が治療を行うことが一般的ですが、知覚過敏の治療には「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを使用する方法もあります。本記事では、知覚過敏の症状や原因・治療方法について説明し、ナイトガードが知覚過敏の治療に有効な方法であることを解説します。
目次
知覚過敏とは
知覚過敏は、歯の神経が刺激に過剰に反応することで起こる症状です。歯が「冷たい・温かい・甘い・酸っぱい」などの刺激に過剰に反応して、痛みや違和感を感じます。この症状は、虫歯や歯周病、歯ぎしりなどが原因となって起こることがあります。
知覚過敏になってしまう理由は、主に次の6つです。
1.歯ぐきの退縮
間違った歯磨きの仕方や歯周病、加齢や歯ぎしりなどにより歯ぐきが下がると、歯の根本の部分が露出してしまいます。
2.歯ぎしり
歯ぎしりなどにより歯がすり減ると、歯のエナメル質の内側にある象牙質が露出します。エナメル質は外部からの刺激を遮断することができますが、象牙質は刺激を遮ることができないため、知覚過敏が起こることがあります。
3.虫歯治療
虫歯を治療する過程で、知覚過敏になることも考えられます。徐々に治まることも多いですが、虫歯が大きかった場合などは症状が続いてしまう可能性もあります。
4.酸蝕歯(さんしょくし)
酸性の飲み物やお酢、酸っぱい飲食物を頻繁に摂取する習慣がある方は要注意です。酸により歯が少しずつ溶かされ、しみる症状が出てしまうこともあります。
5.歯の破折や亀裂
打撲などにより歯が折れたり欠けたりしてしまった場合や、亀裂が入っている場合にも歯がしみることがあります。
6.ホワイトニング
ホワイトニングの薬剤の影響により、一時的に歯がしみることもありますが、通常は徐々に症状が治まるので心配いりません。
このように知覚過敏になる理由はたくさんありますが、しみる症状や痛みの程度は一人ひとり違うものです。そのため、症状の強さによって治療方法も異なります。
知覚過敏の対処法
知覚過敏を予防するためには、虫歯や歯周病・歯ぎしりの予防、正しい歯磨きの仕方を身につけることなどが大切です。また酸を多く含む飲食物が好きな方は、頻繁に摂取することは避け、控えめにしましょう。
知覚過敏を予防することは、同時にお口の健康を保つことにもつながります。
歯医者で行う治療の内容
歯科医院では、知覚過敏に対して以下のような処置を行います。
- 知覚過敏抑制剤の塗布
- 樹脂でコーティングする
- マウスピース(ナイトガード)を作成する
- 虫歯や歯周病の治療
- 噛み合わせの調整
- レーザー治療
実際にどのような治療を行うかは、症状の程度により歯科医師が判断します。
セルフでできる対処法
知覚過敏の治療には、歯磨きの方法や食生活の改善も重要です。例えば、硬い歯ブラシや研磨剤を多く含む歯磨き粉を使用しないこと、甘いものや酸っぱいものを控えることなどが挙げられます。
また、知覚過敏用の歯磨き粉やフッ化物の活用も有効です。フッ化物配合の歯磨き粉を使用する場合は、歯磨き後にすすぎすぎず、お口の中にフッ化物が留まるようにしましょう。
知覚過敏の治療にはナイトガードも有効
知覚過敏の治療には、ナイトガードと呼ばれる装置も有効です。
ナイトガードは、上下の歯の噛み合わせを正しい位置に保ち、歯の摩耗や歯ぎしりによるダメージを防ぐことができるもので「マウスピース」とも呼ばれます。また歯を保護するだけでなく、歯の神経を刺激から守る効果もあります。
ナイトガードには、歯科医師が作成する特注のものと市販のものがあります。特注のナイトガードは、個々のお口の形に合わせて作られるためフィット感が良く、歯にかかる圧力を均等に分散させることが可能です。
一方、市販のナイトガードは一般的な口の形に合わせて作られているため、フィット感が悪い傾向があります。しかし、比較的安価で手軽に入手できるという点が大きなメリットでしょう。
市販のナイトガードを購入する際は「熱成形タイプ」と呼ばれるものが試しやすいと思います。このタイプは熱湯で軟らかくして自分のお口に合わせるもので、冷ませば出来上がりです。
とはいえ、特注のナイトガードに比べると耐久性は劣ります。また、ぴったりフィットしていないものを長期間使用すると、トラブルにつながる恐れもあるため注意が必要です。
マウスピースの適切な使用方法
マウスピースを使用する際には、適切な清掃が必要です。使用後は、歯ブラシなどを用いて流水下で洗浄し、清潔に保ちましょう。このときに歯磨き粉は使わないでください。歯磨き粉に含まれる研磨剤がマウスピースに細かい傷を作り、そこに細菌が繁殖しやすくなってしまうからです。
不衛生な状態で装着してしまうと、虫歯や歯周病など新たなトラブルの原因となります。
週に1回ほど、マウスピース専用の洗浄剤などを利用するのもおすすめです。
もしマウスピースが合わない場合や破損した場合には、修理や交換をしましょう。長期間使用するのであれば、特注のマウスピースを作成してもらうのが安心です。歯科医院で作成したマウスピースであれば、定期的に歯科医師にチェックや調整をしてもらうこともできるからです。
知覚過敏には早めの対処を
知覚過敏はツラい症状ですが、歯科医院に行くことが億劫だったり、セルフでできる対策があると「自分で何とかしよう」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。
知覚過敏になることには、必ず原因があります。原因がわからないままその場を凌いでいても、良くなることはないどころか悪化させてしまうリスクもあるのです。
ナイトガードは知覚過敏の治療に有効な装置であるとされていますが、それだけで完全に症状が改善するわけではありません。今よりも症状が悪化する前に、できるだけ早く歯科医院に行きましょう。原因が何かを知り、歯科医師と相談しながら適切な治療や対策をすることが大切です。
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