舌の汚れが口臭の原因?舌ブラシを使った舌掃除で口臭対策ができる
更新日:2023.01.10
口臭をおさえるには丁寧なお手入れが欠かせません。しかし、歯を磨くだけでは不十分であることを知っていますか?歯に付着した汚れだけでなく、舌苔も口臭の原因であるため、しっかり落とさなくてはいけません。
今回は、歯科衛生士のNYUiiiが舌苔の特徴や正しいお手入れ方法について分かりやすくご紹介します。口臭をできるだけおさえたい方は参考にしましょう。
目次
舌の汚れ「舌苔」が口臭の原因に?
舌の表面は凸凹しており、溝に口のなかの古い細胞や食べかすなどが溜まって、菌が増殖することで舌苔(ぜったい)が作られます。
口臭には「生理的口臭」「病的口臭」「心理的口臭」など種類があり、病的口臭の原因の約9割がお口トラブルです。虫歯や歯周病がなくても舌苔があることで口臭が強まる可能性があります。
口臭の原因物質は「VSC」
お口のなかには500種類〜700種もの細菌が存在します。
そのなかでも嫌気性菌という菌が舌苔に関与しているといわれており、タンパク質やアミノ酸を分解して、揮発性硫黄化合物(VSC: Volatile Sulfur Compounds)という物質を作ります。
生理的口臭が強まる原因に
生理的口臭とは、健康な方でもおこる口臭を指します。唾液の分泌量が関係しており、起床時や、緊張感・不安感が強いときなど、唾液の分泌量が減ることであらわれるのが特徴です。
舌苔があると唾液が減ったときの口臭が強まる可能性が高いため、定期的な除去をおすすめします。
舌ブラシによる舌掃除の方法
今まで舌苔を取ったことがないという方は、決して珍しくはありません。産まれてから学生までの間は唾液の分泌量が多いことで、舌苔による口臭はあまり目立たない傾向にあります。
加齢や薬の服用によって唾液の分泌量は徐々に低下していくため、20代を過ぎたら舌ブラシを使った舌掃除も取り入れると良いでしょう。
1.鏡の前で舌を出して観察する
まず、鏡の前で舌をおもいっきり出してみましょう。舌の手前だけでなく奥にも汚れがついていないかをチェックします。
2.舌ブラシで奥から手前に優しくなぞる
舌ブラシを鏡でみえる範囲のできるだけ奥に当てて、手前に向かって優しくなぞります。
力を入れすぎると舌に傷がつき、腫れる可能性があるため、痛くない程度に磨くことが大切です。
息を止めながら磨くと、嘔吐反射がおこりにくい傾向にあります。
3.舌ブラシの毛先を洗って汚れを落とす
舌をなぞると、舌ブラシの先端に汚れが付着します。
流水下で洗い、毛先に汚れがつかなくなるまで1〜2を繰り返しましょう。
舌ブラシをやる最適なタイミングは、起床時です。1日1回の舌ブラシをぜひ習慣化して口臭予防に役立てましょう。
舌掃除の頻度は?口臭は歯周病が原因の可能性も
舌は非常にデリケートな部位であり、頻繁に磨くと傷がついてしまいます。舌ブラシがない場合は、歯ブラシで代用しても問題はありませんが、毛先が硬すぎないものを選びましょう。
舌磨きとあわせて唾液の分泌量を増やす工夫をすると、より口臭をおさえることができます。
唾液の分泌量を増やす方法
唾液の分泌量を増やすには「ガムを噛む」「唾液腺マッサージ」この2つが有効です。
シュガーレスガムを噛む
噛むという動作は、唾液の分泌量を上げる大切な動きです。よく噛んで食べることで脳の働きも活発になるため、意識することをおすすめします。
チョコレートやキャラメルなど粘着性の高いお菓子は、虫歯のリスクを上げるだけでなく、舌の溝に入り込むと除去しにくい特徴があります。お菓子を飲み込んだにも関わらず味が口のなかに残っているときは、舌の溝に入り込んでいる可能性が高いため、注意しなくてはいけません。
糖が含まれていないガムや、虫歯になりにくい人工甘味料を使ったキシリトールガムを選んで食べましょう。
唾液腺マッサージ
唾液腺には「舌下腺(ぜっかせん)」「顎下腺(がっかせん)」「耳下腺(じかせん)」という3つの種類が存在します。
舌下腺は舌の真下に位置し、下顎の内側を親指の腹を使って突き上げるように押すことでマッサージができます。顎下腺は下顎の縁の内側に位置し、こちらも親指の腹を使って押し上げるように奥から手前へマッサージするのがおすすめです。
耳下腺は耳たぶの少し前あたりに位置し、親指以外の指をつかって円を描くように優しく頬を撫でると唾液の分泌が促されます。
生理的口臭の多くはお口の中を潤すことでおさまるため、水分を取る方が早く効果を感じられます。しかし、必ずしもすぐに水分を取れるとは限りません。
緊張時や不安感の強いときにお口の渇きを感じたら水分補給を心がけ、それが難しい場合は唾液腺マッサージを試してみましょう。
歯周病や蓄膿症が原因の病的口臭の可能性もある
舌苔を丁寧に除去しても口臭が気になる場合は、虫歯や歯周病、蓄膿症などほかの原因が隠れている可能性があります。
特に歯周病や蓄膿症は強い口臭を引き起こすケースも少なくないため、気になる方は一度歯科医院で検査を受けましょう。
1日1回の舌掃除で口臭のない清潔なお口を維持しましょう
口臭の原因が舌苔であるケースは決して珍しくありません。歯を磨くことはもちろん大切ですが、起床時は舌掃除を合わせておこなうことで、より清潔なお口を維持できます。
舌はとてもデリケートな部分ですので、痛みや腫れがある場合は無理にやろうとはせずに、数日あけてからお手入れを再開しましょう。やり方に自信のない方は、歯科医院のブラッシング指導をおすすめします。
記事を読んでみて心当たりが多かった人もいたのではないでしょうか。口臭や歯周病は歯医者の定期的な受診で改善できるといわれています。
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