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口臭の原因「臭い玉」とは?その正体と対策・ケア方法を徹底解剖!

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口臭の原因「臭い玉」とは?その正体と対策・ケア方法を徹底解剖!

匂う女性

口臭の原因「臭い玉」とは?その正体と対策・ケア方法を徹底解剖!

更新日:2025.06.25

口臭対策

咳やくしゃみをした時に、口の中から白い塊がポロッと出てきた経験はありませんか?その塊は通称「臭い玉(においだま・くさいだま)」と呼ばれるものかもしれません。臭い玉は潰すと強烈なにおいがするため、口臭の原因になります。
本記事では臭い玉について、その正体から自分でできる対策、そして耳鼻咽喉科・歯科での専門的な治療法まで徹底的に解説します。この記事を参考に、臭い玉の悩みを解決しましょう。

口臭の原因は臭い玉(膿栓)かも?

口臭の原因はさまざまですが、その一つは「臭い玉」と呼ばれる物質です。臭い玉というのは通称で、正しくは「膿栓(のうせん)」といいます。ここでは、そもそも臭い玉とは何なのか、なぜ口臭の原因となるのかを見ていきましょう。

臭い玉の正体

喉の奥には扁桃腺という組織があり、その表面に陰窩(いんか)と呼ばれる小さなくぼみがたくさんあります。扁桃腺は免疫を司る働きがあるため、口の中の細菌やウイルスなどの死骸や排泄物がこの付近に溜まっていきます。

これらが陰窩に溜まり、口腔内のカルシウムやミネラル成分によって固まったものが臭い玉(膿栓)です。臭い玉の大きさは通常5~6mmほどで、大きいものだと1cm以上になることもあります。

実は、知らないうちに臭い玉を飲み込んでしまうことも多いのですが、体に害はありません。しかし臭い玉が増えると、口臭や喉がイガイガするような違和感の原因になることがあります。

臭い玉が口臭を引き起こす理由

口臭に限らず、多くの悪臭の原因は細菌やウイルスが発するガスだとされています。口臭もこれと同じで、主な原因は「揮発性硫黄化合物(VSC)」というガスです。口の中にいる細菌やウイルスは、その死骸や排泄物から口臭の原因となるガスを発します。

臭い玉はこのガスを中に閉じ込めて固まった状態です。そのため、臭い玉が口の中にあるだけならにおいを発することはありません。ところが、臭い玉を潰すとこのガスが外に漏れるため、不快なにおいを発してしまうのです。

症状 内容
口臭 最も代表的な症状。臭い玉から発生する揮発性硫黄化合物(VSC)が原因。
喉の違和感 喉に何かが引っかかっているような、イガイガするような不快感が生じる。
臭い玉が気になり、咳払い や軽い咳が出ることがある。
味覚の変化 まれに味の感じ方が変わるなど、味覚に変化が生じることがある。
扁桃炎の悪化 臭い玉が原因で扁桃炎が悪化する可能性がある。

臭い玉ができる原因

臭い玉ができてしまう原因には、以下のようなものがあります。

口腔内の状態が不衛生

歯磨きや舌磨きが不十分で口腔内の衛生状態が悪いと、細菌が増殖し、臭い玉の原因となります。

口呼吸をしている

口呼吸は鼻呼吸の場合と比べて、口や喉に直接細菌やウイルスが入ってきやすいため、臭い玉ができやすくなります。
また、口呼吸で口の中が乾燥してしまうことも臭い玉ができる原因の一つです。口内が乾燥した状態だと唾液で洗い流すことができず、細菌やウイルスが繁殖しやすくなります。

噛み合わせが良くない

歯の嚙み合わせが良くない場合(不正咬合)、歯に汚れが溜まりやすく、細菌やウイルスも繁殖しやすくなります。

慢性的な扁桃炎

扁桃炎が慢性化すると陰窩に膿が溜まり、臭い玉ができやすくなってしまいます。

鼻炎・後鼻漏

鼻炎や後鼻漏(こうびろう)の人は細菌やウイルスが喉に付着しやすく、臭い玉ができやすいと言われています。

これらに当てはまる人は特に臭い玉ができやすいでしょう。反対に言えば、これらの対策をすれば臭い玉ができにくくなるということです。

臭い玉の予防と取り方

臭い玉を作らないための予防法として、以下のようなものがあります。

  • 口腔内を清潔に保つ
  • 鼻呼吸を意識する
  • こまめに水分補給をする
  • うがいをする

臭い玉を作らないためには、口腔内を清潔に保ち、細菌やウイルスを繁殖させないことが重要です。歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシを活用し、毎食後のデンタルケアをしっかりおこないましょう。

「つい口呼吸をしてしまう」という人は、日頃から鼻呼吸を意識してみてください。また、口内の乾燥を防ぐため、こまめに水分補給をしましょう。さらに、家に帰った直後や食後にうがいをすることで、細菌やウイルスの増殖を抑えることができます。

しかし、臭い玉ができるのを100%防ぐことはできません。できてしまった臭い玉を取りたい時は、以下の方法を試してみてください。

  • うがいをする
  • 綿棒で優しく取る
  • 耳鼻咽喉科で取ってもらう

うがいをすると、喉の奥の臭い玉が取れることがあります。水やうがい薬で喉を潤しながら2~3回うがいをしてみましょう。また、綿棒で軽く押し出すと臭い玉が取れる可能性があります。

しかし、これらの方法では臭い玉が取れないこともあります。臭い玉を安全かつ確実に除去したい場合は、耳鼻咽喉科に相談して取ってもらうのがベターです。

無理な除去はNG!

うがいや綿棒で臭い玉が取れることはありますが、やりすぎはNGです。何度もうがいをしたり綿棒で強く押したりすると扁桃腺を傷つけてしまい、炎症を起こしたり、傷口から細菌が侵入して感染症を引き起こしたりする可能性があります。

また、殺菌力の強い洗口液(マウスウォッシュ)などを使いすぎると口の中の常在菌が減少し、かえって口内環境が悪化してしまうかもしれません。

そもそも、臭い玉を体内に取り込んでも害はありません。どうしても気になる場合は、無理やり自力で取るのではなく、耳鼻咽喉科に相談して除去してもらいましょう。

専門家(耳鼻咽喉科・歯科)に相談するメリット

喉の奥にできる臭い玉は、耳鼻咽喉科で取ってもらうことができます。耳鼻咽喉科では専用の器具を使って、安全に臭い玉を除去してくれます。

また、口臭の原因は臭い玉だけとは限りません。口臭の原因を突き止めたい場合は、歯科にも相談するとよいでしょう。

ここでは、耳鼻咽喉科や歯科といった専門家に相談するメリットを解説します。

耳鼻咽喉科

臭い玉があるだけでは健康に影響はありません。しかし、耳鼻咽喉科に相談することで臭い玉ができてしまう原因を特定し、正しく対処できるようになります。

耳鼻咽喉科では、うがいのやり方や口腔ケア方法など、臭い玉をできにくくするアドバイスを受けることができます。これにより、臭い玉が再発しにくくなるでしょう。

また、臭い玉ができやすい人は慢性的な扁桃炎を患っている可能性があります。その場合は耳鼻咽喉科で適切な治療をおこなってください。

歯科

口臭の原因はさまざまで、臭い玉はそのうちの一つでしかありません。虫歯や歯周病、溜まった歯石や舌苔などが口臭の原因になっていることも多いのです。これらは歯科の領域となります。

そのため、口臭の原因を特定したい場合は、歯科にも相談することをおすすめします。歯科に相談することで口臭の原因を特定でき、根本解決につながります。

臭い玉が気になる場合は耳鼻咽喉科に相談を

臭い玉(膿栓)は、喉の奥にある陰窩という場所に溜まる小さな白い塊のことで、その正体は細菌やウイルスなどの死骸や排泄物が固まったものです。臭い玉は、口の中にあるだけでは特に害はありませんが、潰すと不快なにおいを発します。これが口臭の原因になることがあります。

臭い玉を予防するためには、毎食後のデンタルケアで口腔内を清潔に保ち、うがいや水分補給をまめにおこなうことなどが重要です。

臭い玉は自分で取り除くこともできますが、その際に扁桃腺を傷つけてしまうリスクがあるため、無理に取ろうとしてはいけません。気になる場合は耳鼻咽喉科で取り除いてもらいましょう。

また、口臭の原因は臭い玉だけではありません。もし口臭に悩んでいるのであれば、歯科もあわせて受診することをおすすめします。

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